【第50話】「最後に残ったもの」
グループワークの最終日、プレゼンを終えて拍手が湧いた。
緊張から解き放たれた瞬間、遥は胸の奥にぽっかりとした空白を感じた。
「終わったんだね」と隣の颯太がつぶやく。
互いに意見がぶつかり、夜遅くまで話し合った日々。あの小さな争いも、笑い合った時間も、すべてが今につながっていた。
「結果も大事だけど、みんなとやれてよかったよ」
誰かの言葉に、全員が自然とうなずいた。
目に見える評価は、これから出る。
でも、ここで得た信頼と自信は、きっとその先も背中を押してくれる。