バリー・シュワルツ氏は「なぜ働くのか?」という問いから始め、単なる生計のためではなく、仕事には挑戦・熱中・意義・重要性といった側面があると指摘します。しかし現実には多くの人が無意味で単調な仕事をしており、それは歴史的に「人間は怠惰で、報酬を与えなければ働かない」という誤った考え(アダム・スミスらによる)に基づいた生産システムが作られた結果だと説明します。
このような「アイデア・テクノロジー(IT)」――つまり人間観や社会科学の理論――は、人々の生活や組織の仕組みを形作り、やがて人間そのものの性質さえも作り出してしまうと語ります。たとえば、劣悪な職場環境は人を愚かにし、働く喜びを奪ってしまうのです。
結論として、私たちは「人間とはどういう存在か」という理解をもとに組織をデザインしており、それが人間の性質を形作っている。だからこそ組織を運営する立場にある人は「どのような人間の性質を生み出す組織にしたいのか?」を自らに問いかける必要がある――と呼びかけています。
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