仕事内容や待遇だけでは分からない会社の魅力があります。説明会で出会った社員の姿を通して、奈緒が初めて「誰と働くか」を意識した物語です。
会社ではなく人に心が動いた
水曜日。
奈緒は小さな会社の説明会に参加していた。
参加した学生は十人ほど。
説明を担当していたのは、入社三年目の女性社員だった。
仕事内容を紹介する途中、その社員が笑いながら話した。
「最初は失敗ばかりでした。でも、先輩がいつも一緒に考えてくれました。」
説明会が終わると、奈緒は思い切って質問した。
「仕事で困った時、相談しやすいですか。」
女性社員は少し考えてから答えた。
「忙しい時もあります。でも、誰かが困っていたら声をかける会社だと思います。」
飾った言葉ではなかった。
だからこそ、奈緒の心に残った。
帰り際、廊下ですれ違った社員同士が自然にあいさつを交わしている。
受付の人も、笑顔で「お疲れさまでした」と声をかけてくれた。
会社を選ぶ時、仕事内容や待遇はもちろん大切だ。
けれど、一日の多くを過ごす職場だからこそ、「誰と働くか」も働き続けるうえで大切な要素になる。
駅へ向かいながら、奈緒は説明会でもらった資料を見つめた。
会社の名前ではなく、そこで働いていた人たちの顔が浮かんできた。
「この人たちと働いてみたいな。」
そんな理由で会社を選んでもいいのかもしれない。
初めてそう思えた。
まとめの一言
仕事内容だけでなく、「この人たちと働きたい」と思えるかも、会社選びの大切なヒントです。
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