2026年2月7日土曜日

就活物語「配属先が違えば、答えは変わっていた学生」

――能力ではなく、配置の問題だった――


 その学生の評価は、面接が終わった時点でかなり高かった。

論理的で、落ち着きがあり、質問の意図も正確に捉えている。

「仕事はきちんとできそうだ」

それは、面接官全員の共通認識だった。

 だが、議論が進むにつれて、ある違和感が浮かび上がった。

今回募集している部署は、スピードと対人折衝が求められる現場だ。

一方で彼の強みは、分析力と慎重さ、物事を深く考える姿勢にあった。

 「この子、企画や管理寄りならすごく合いそうなんだけどね」

そんな声が自然と出た。

実際、別部署の業務を想定して話すと、彼の将来像は驚くほど鮮明になる。

 それでも、採用は“今回の募集枠”に限られる。

能力が足りないわけではない。

人柄に問題があるわけでもない。

ただ、今ここに当てはめるには、少し噛み合わなかった。

 最終判断は不採用。

だが、決定後の空気は重かった。

「部署が違えば、迷わず採ってた」

誰かがそう言い、誰も否定しなかった。

 採用とは、優秀さだけで決まるものではない。

“どこで力を発揮できるか”という配置の問題が、大きく影響する。

彼は、確かに惜しかった。

ただ場所が、少しだけ違ったのだ。


#面接官の視点
#惜しかった学生
#配属ミスマッチ 

2026年2月6日金曜日

「選ぶ理由」を聞けて、安心した


 以前は、「どこに決まりそう?」と聞いてしまっていた。

 最近は違う。

「どうしてそこを選びたいの?」と聞く。

 子どもは、少し考えてから答える。

インターンで見たこと。

感じたこと。

自分なりの理由。

 完璧な答えではない。

でも、自分で考えていることが分かる。

 それだけで、親としては十分だった。


#保護者の視点
#就活の対話
#インターン後 

2026年2月5日木曜日

短い期間でも、伝えられることはある


 インターンは、あっという間に終わる。

数日、長くても数週間。

 それでも、仕事の全部を教える必要はないと思っている。

 大切なのは、「働くとはどういうことか」を感じてもらうこと。

段取り、責任、仲間とのやり取り。

 短い時間でも、本気で向き合えば、伝わるものはある。

それは、学生だけでなく、教える側にも残る。


#現場担当者
#インターン教育
#仕事の伝え方 

2026年2月4日水曜日

インターン後の辞退連絡は、失敗ではない


 インターン後、辞退の連絡が入ることがある。

正直に言えば、少し残念だ。

 けれど同時に、「ちゃんと考えた結果だな」と感じることも多い。

 理由を丁寧に伝えてくれる学生は、インターン中も真剣だった。

 インターンは、必ず採用につながる場ではない。

お互いを知るための時間だ。

 だからこそ、辞退もまた、対話の結果だと思っている。


#企業人事
#インターン辞退
#相互理解 

2026年2月3日火曜日

「迷っている」の質が変わった


 インターン前の迷いは、「どこがいいか分からない」という迷いだった。

 インターン後の迷いは違う。む」という迷いだ。

 学生の言葉が具体的になる。

良かった点、合わなかった点。

どちらも自分の感覚として語れる。

 迷いが深くなったのではない。

考えが深くなったのだ。

 キャリア支援とは、その迷いを消すことではない。

迷いながら選ぶ力を育てることだと、改めて思う。


#キャリアセンター
#就活の迷い
#支援の本質 

2026年2月2日月曜日

インターンで見えた「譲れない条件」


 インターンに行く前は、条件を広く考えていた。

勤務地、給与、ネームバリュー。

「とりあえず内定が出そうなところ」も候補に入っていた。

 でも、実際に現場を見て気づいた。

どんなに条件が良くても、自分が黙って我慢する場所では長く続かない。

 意見を言える空気があるか。

失敗したとき、どう向き合ってくれるか。

インターンで見た小さな場面が、自分の中の「譲れない線」を教えてくれた。

 就活は妥協の連続だと思っていた。

けれど、守るべきものが分かっただけで、選択は少し楽になった。


#学生の視点
#就活の軸
#インターン気づき 

2026年2月1日日曜日

就活物語「面接が終わってから、評価が変わった学生」

――あとから、じわじわ効いてきた言葉――


 その学生の面接は、正直に言えば、強い印象を残すものではなかった。

受け答えは落ち着いていて、失点もない。

だが、決定打と呼べるほどの材料もなく、評価は中ほどに落ち着いていた。

 ところが、面接がすべて終わり、評価表を見返しているとき、

彼の言葉がふと頭に浮かんだ。

 「自分は、まだ即戦力ではありません。

でも、任されたことを“そのまま”終わらせず、

必ず一つは良くして返す人でありたいと思っています。」

 派手さはない。

だが、その言葉には、仕事への向き合い方がにじんでいた。

議論が始まると、「あの学生、悪くなかったよね」という声が増えていった。

 面接中は目立たなかった誠実さが、

時間を置くほどに、評価として浮かび上がってくる。

それでも結果は不採用。

理由は単純で、より即戦力に近い学生が他にいたからだ。

 決定後、誰かが言った。

「現場に出たら、きっと信頼されるタイプだったな。」

 面接とは、不思議なものだ。

終わったあとに、評価が上がる学生がいる。

彼はまさに、そんな“惜しかった学生”だった。


#面接官の視点
#惜しかった学生
#面接後に評価が上がった

就活物語「配属先が違えば、答えは変わっていた学生」

――能力ではなく、配置の問題だった――  その学生の評価は、面接が終わった時点でかなり高かった。 論理的で、落ち着きがあり、質問の意図も正確に捉えている。 「仕事はきちんとできそうだ」 それは、面接官全員の共通認識だった。  だが、議論が進むにつれて、ある違和感が浮かび上がった。...