目覚まし時計が鳴る前に目が覚めた。
今日は初出社の日。
前日の夜に何度も確認したはずなのに、スーツも、社員証の案内も、もう一度確認する。
窓の外は、まだ少し薄暗い。
学生だった頃とは違う朝。
駅へ向かう足取りは、少しだけ固かった。
電車の窓に映る自分を見る。
慣れないスーツ。
慣れない鞄。
そして、まだ慣れない「社会人」という言葉。
会社のビルが見えた瞬間、胸が少しだけ高鳴った。
期待。
不安。
緊張。
いろいろな気持ちが混ざり合う。
受付を通り、案内された会議室へ向かう。
そこには、同じように緊張した表情の新入社員たちがいた。
少しだけ安心した。
自分だけではない。
みんな同じ場所から始まるのだ。
そう思えたとき、肩の力が少し抜けた。
社会人としての一歩は、こうして静かに始まった。
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