周囲の内定報告を聞くたび、遅れている自分を責めてしまう。しかし、就活に同じ歩幅やゴールはありません。焦りを手放し、自分に合った速さで進むことの大切さに気づいた学生の物語です。
誰かと同じ速さでなくてもいい
夏休みに入り、大学の構内はいつもより静かになっていた。
奈緒はキャリアセンターを出ると、木陰のベンチに腰を下ろした。
スマートフォンには、友人から届いた旅行の写真や内定者懇親会の報告が並んでいる。
以前なら、胸がざわついていただろう。
「自分だけ、まだ決まっていない。」
そう思うたびに、応募する会社を増やし、予定を詰め込み、自分を追い立てていた。
けれど、今日は少し違った。
先ほど相談した職員から、「奈緒さんは、春より会社を丁寧に見られるようになりましたね」と言われたからだ。
確かに、以前は内定を得ることだけを考えていた。
今は、仕事内容や職場の雰囲気、自分が大切にしたい働き方まで考えている。
歩みは遅いかもしれない。
それでも、迷いながら選んできた時間は、決して止まっていた時間ではなかった。
就活には、誰にでも当てはまる正しい速さはない。
早く決まることより、自分が納得して進めることの方が大切だ。
周囲と比べて焦ると、本来の目的を見失ってしまうことがある。
就活のゴールは、誰かより先に内定を得ることではない。
自分らしく働ける場所を見つけることだ。
奈緒はスマートフォンを鞄にしまい、立ち上がった。
駅までの道を、今日は急がず歩いてみようと思った。
自分のペースでも、前へ進んでいる。
そのことを、ようやく信じられるようになっていた。
まとめの一言
自分の歩幅を信じた時、焦りは前へ進む力に変わっていきます。
#就活
#就活の焦り
#自分のペース






