内定式を終えた拓也は、いつものアルバイト先で働いていました。接客や商品の補充など、普段は何気なくこなしている仕事。しかし、後輩に仕事を教える中で、働くために必要な力は、特別な知識や資格だけではないことに気づきます。学生時代の経験を見つめ直す一日です。
アルバイトの経験も社会人への準備になる
火曜日の夕方。
拓也は、いつものアルバイト先で働いていた。
大学に入ってから続けている飲食店の仕事だ。
注文を受け、料理を運び、空いた食器を片づける。
忙しい時間帯になると、店内を動き回ることも多い。
その日、新しく入った後輩が、注文の入力方法で困っていた。
「これ、どうすればいいんですか?」
拓也は手を止め、操作を説明した。
けれど、後輩は少し戸惑っている。
そこで拓也は、実際に画面を操作しながら、もう一度ゆっくり説明した。
「ああ、分かりました。ありがとうございます」
後輩の表情が明るくなった。
そのとき、拓也はふと思った。
「教えるって、意外と難しいんだな」
自分では当たり前にできることでも、初めての人には分からない。
相手の様子を見ながら、伝え方を変える必要がある。
忙しいときには、周囲の動きを見て手伝うことも大切だ。
そう考えると、アルバイトで学んできたことは少なくない。
時間を守ること。
分からないことを質問すること。
失敗したときに報告すること。
仲間と協力して仕事を進めること。
どれも、社会人になってから必要になる力だろう。
拓也は、これまでアルバイトを単なる収入を得る手段だと思っていた。
でも、働く経験そのものが、自分を成長させていたのかもしれない。
閉店後、後輩から声をかけられた。
「今日、助かりました」
拓也は笑って答えた。
「俺も最初は、全然できなかったよ」
まとめの一言
社会人に必要な力は、特別な勉強だけで身につくものではありません。日々の経験を振り返ることで、自分の成長に気づくことができます。
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