朝礼が終わると、課長が話し始めた。
「来月、新入社員が配属されます。」
その言葉を聞いた瞬間、思わず顔を上げた。
「もう後輩が来るの?」
ついこの前まで、何も分からず先輩の後ろをついて歩いていた自分。
そんな自分が、今度は教える立場になるという。
昼休み、先輩が笑いながら言った。
「去年の私も同じことを思ったよ。」
「教えるって、自分が完璧になることじゃない。一緒に考えられる先輩になればいいんだ。」
その言葉に肩の力が抜けた。
帰り道、入社した日のことを思い出す。
緊張でいっぱいだった朝。
優しく声をかけてくれた先輩。
分からないことを何度も教えてくれた人たち。
そのおかげで、今の自分がいる。
今度は、その優しさを誰かへつないでいく番なのかもしれない。
駅へ向かう夕暮れの道を歩きながら、小さく笑う。
「少しは先輩らしくなれたかな。」
そう思えた自分に、ほんの少しだけ成長を感じた。
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