2026年2月24日火曜日

学生の「なぜ?」が、現場を磨く


 「なぜこの工程はこうなっているんですか?」

 学生の素朴な質問に、私は一瞬言葉に詰まった。

 当たり前になっていた作業手順。だが、説明しようとすると曖昧な部分がある。

 その日の帰り道、私は工程を見直した。

 結果として、無駄な工程を一つ減らせた。

 学生の問いは、現場に新しい視点をくれる。

 教えているつもりが、整えられているのは私たちの仕事なのだ。


#現場の気づき
#インターン効果
#仕事の見直し 

インターンは、企業の本音も試される


 学生はよく見ている。資料の整い方よりも、社員同士の会話の雰囲気を。

 だからこそ、インターンは“広報イベント”では済まされない。

 「質問はありますか?」と尋ねたときの返答で、私たちの本気度も測られている。

 曖昧な答えをすれば、学生は敏感に感じ取る。

 インターンは選考の前段階ではない。信頼の前段階だ。

 学生にとっても、企業にとっても、互いの覚悟を確かめる時間なのだと、私は毎年実感している。


#企業人事
#インターン運営
#信頼構築 

2026年2月23日月曜日

報告書より、沈黙の数秒


 インターン報告書は丁寧に書かれている。だが本当に大切なのは、そのあとだ。

 「どうだった?」と聞いたとき、学生が少し黙る。その沈黙の数秒に、迷いや発見が詰まっている。

 「思っていたより、厳しかったです」

 「でも、嫌ではなかったです」

 その言葉が出てきたとき、私はほっとする。経験は、きちんと学生の中で咀嚼されている。

 インターンは“参加実績”ではなく、“内面の変化”。その変化を引き出す時間こそ、私たちの役割だと思っている。


#キャリア支援
#インターン面談
#成長の瞬間 

インターン後「言葉に重みが出た」


 エントリーシートを書き直していて、ふと気づいた。以前の自分は、どこかで“良く見せよう”としていたのだと。だがインターンを経験した今は、実際に見た光景や、先輩の言葉、自分が感じた迷いを思い出しながら書いている。

 現場で戸惑ったこと、質問して理解できたこと、うまくできなかった悔しさ。どれも具体的だ。だから文章に、少しだけ重みが出た気がする。

 “御社で成長したい”ではなく、“あの会議室の空気の中で、自分はもっと考え続けたいと思った”。そう書けたとき、ようやく就活が自分の言葉になった。


#インターン体験
#就活成長
#エントリーシート 

2026年2月22日日曜日

就活物語「今でも、正解だったか分からない学生」

――判断の余白は、消えない――


 その学生の最終評価は、最後まで拮抗していた。

強みも弱みも、ほぼ同じだけあった。

 発言は誠実で、準備も十分。

だが、ときどき言葉が止まり、迷いが表情に出る。

その不安定さを「伸びしろ」と見るか、「リスク」と見るかで、意見が割れた。

 「採りたい気持ちはある」

「でも、即戦力としては不安もある」

 会議室の空気は、重く静かだった。

最終的に、わずかな差で別の学生を選んだ。

理由は、“現時点での安定感”。

 決定は合理的だった。

説明もつく。

けれど――

 数日経っても、私は彼の面接を思い出していた。

あの一瞬の真剣なまなざし。

言葉に詰まりながらも、何かを必死に伝えようとした姿。

 もしかしたら、あの不安定さこそ、挑戦しようとする覚悟だったのではないか。

 採用には正解があるようで、ない。

選ばなかった道の未来は、誰にも分からない。

 彼の名前を見るたび、私は今でも、あの日の判断を静かに思い返す。


#面接官の視点
#迷った学生
#判断の余白 

2026年2月21日土曜日

就活物語「評価は高い、覚悟が読めなかった学生」

――本気度を、最後まで測りきれなかった――


 その学生の評価シートは、ほとんどが高得点だった。

受け答えは的確。論理も破綻がない。

これまでの経験も十分で、スキル面での不安はほとんどなかった。

 だが、最終面接の終盤で、ある面接官が静かに言った。

「彼は、本当にこの仕事をやりたいのだろうか。」

 志望動機は整っていた。

だが、“この会社でなければならない理由”が、どこか薄い。

どの企業でも通用する言葉に聞こえてしまったのだ。

 「優秀だとは思う。でも、覚悟が見えない。」

評価会議は、そこで止まった。

 もしかすると、彼は冷静なだけだったのかもしれない。

情熱をあえて表に出さないタイプだったのかもしれない。

だが、限られた面接時間の中で、私たちはそこまで読み切ることができなかった。

 最終的に、より“ここで働きたい”という熱が明確な学生を選んだ。

 彼は間違いなく優秀だった。

だが、採用とは能力の比較だけではない。

この場に身を投じる覚悟が伝わるかどうか。

 私たちは、その一線で、最後まで迷った。


#面接官の視点
#迷った学生
#覚悟の差 

2026年2月20日金曜日

インターン後「焦らなくなった」


 周りが次々にインターンに参加し、内定の話をし始めると、正直焦った。

 でも、自分が体験した時間を思い出す。

 あの現場で感じた空気。

あの社員の言葉。

 あのとき「ここは違う」と思えた感覚。

 焦りは消えない。

でも、理由のない焦りは減った。

 経験は、安心材料になる。

 誰かのスピードではなく、自分の理解の深さで進めばいい。

 インターンは、答えをくれたわけではない。

 けれど、迷い方を教えてくれた。


#就活の不安
#インターン後
#自分軸 

学生の「なぜ?」が、現場を磨く

 「なぜこの工程はこうなっているんですか?」  学生の素朴な質問に、私は一瞬言葉に詰まった。  当たり前になっていた作業手順。だが、説明しようとすると曖昧な部分がある。  その日の帰り道、私は工程を見直した。  結果として、無駄な工程を一つ減らせた。  学生の問いは、現場に新しい...