2026年6月25日木曜日

就活物語 親との関係|親の「まだ決まらないの?」が刺さった夜


 就活が長引くほど、家族との会話がつらくなることがあります。心配してくれていると分かっていても、その一言に傷ついてしまう夜があります。

悪気がないと分かっているけれど

 夕食の時間だった。

遥香は食卓で黙ったまま箸を動かしていた。

その時、母親が何気なく聞いた。

「就活、どう?」

遥香は少しだけ笑顔を作った。

「まだだよ」

すると今度は父親が言った。

「そうか。まだ決まらないの?」

その言葉に胸が痛んだ。

 責められているわけではない。

心配しているだけだということも分かっている。

それでも、その一言は今の遥香には重かった。

 六月も終わりに近づいている。

友人たちは少しずつ就活を終え始めている。

自分だけが立ち止まっているような気がしていた。

 食事を終えると、遥香は自室に戻った。

ベッドに腰を下ろし、ため息をつく。

すると、しばらくして母親が部屋に入ってきた。

「ごめんね」

突然の言葉だった。

「お母さんも心配で聞いただけなの。でも、つらかったよね」

遥香は少し驚いた。

 そして初めて、自分の不安を言葉にした。

母親は黙って話を聞いてくれた。

答えは出なかった。

状況も変わらなかった。

それでも、気持ちは少し軽くなった。

 家族は時にプレッシャーになる。

しかし、本当は味方でいてくれる存在でもある。

そのことを、遥香は少しだけ思い出した。

解説

 家族の言葉に傷つくことは珍しくありません。しかし多くの場合、その言葉の背景には心配があります。苦しい時は一人で抱え込まず、自分の気持ちを伝えてみることも大切です。

まとめの一言

 心配の言葉が重い日もある。でも、味方は意外と近くにいる。


#就活不安
#親との関係
#就活物語 

2026年6月24日水曜日

就活物語 キャリアセンター|キャリアセンターに行けなくなった日


 就活がうまくいかないときほど相談が必要なのに、なぜか足が向かなくなることがあります。そんな学生の心の揺れを描きます。

相談したいのに行けなかった

 悠斗はキャリアセンターの前で立ち止まった。

ガラス越しに職員の姿が見える。

相談したいことはたくさんあった。

面接がうまくいかないこと。

内定がないこと。

自信を失っていること。

 それなのに扉を開ける勇気が出なかった。

「また同じことを言われるかもしれない」

「頑張ってと言われるだけかもしれない」

そんな考えが頭をよぎる。

結局、その日は何も言わずに帰った。

 帰宅後、机の上に置いたままの履歴書を眺める。

すると夕方、一通のメールが届いた。

差出人はキャリアセンターだった。

内容は短かった。

「最近どうですか。困ったことがあれば、いつでも来てくださいね」

それだけだった。

アドバイスも説教もなかった。

ただ気にかけてくれていることが伝わった。

 翌日、悠斗は再びキャリアセンターへ向かった。

相談した結果、すぐに状況が変わったわけではない。

それでも、一人で抱え込まなくていいと思えた。

そのことが何より大きかった。

解説 

 就活が苦しくなると、人は支援を避けたくなります。しかし、一人で抱え込むほど視野は狭くなります。相談することも就活の大切な力です。

まとめの一言

 一人で背負わなくていい。頼ることも前に進む方法である。


#キャリアセンター
#就活相談
#就活物語 

2026年6月23日火曜日

就活物語 不採用通知|また不合格だった朝


 朝一番に届いた不採用通知。何度も経験しているはずなのに、慣れることはありません。そんな朝を迎えた学生の物語です。

メールを開くのが怖かった

 朝、目を覚ました美咲はスマートフォンを手に取った。

企業からメールが届いていた。

少しだけ期待しながら開く。

しかし、そこに書かれていたのは見慣れた文章だった。

「慎重に選考を進めた結果――」

 その先を読む前に結果は分かった。

不採用だった。

スマートフォンを置き、天井を見上げる。

何社目だろう。

数えることもやめてしまった。

「もう向いていないのかもしれない」

そんな言葉が頭に浮かぶ。

 大学へ向かう電車の中でも気持ちは晴れなかった。

すると隣に座っていた同級生が声をかけた。

「昨日、また落ちたよ」

思わず顔を見た。

その友人も笑いながら話していたが、決して余裕があるわけではなかった。

みんな同じように悩みながら進んでいる。

そう気づいた瞬間、美咲は少しだけ救われた。

 不採用は否定ではない。

その企業との縁がなかっただけかもしれない。

そう思えるようになるまで時間はかかる。

それでも今日一日を過ごせば、また次のチャンスがやってくる。

 美咲は深呼吸をして大学へ向かった。

解説

 不採用通知は誰でも落ち込みます。しかし、不採用は人格の否定ではありません。結果と自分自身を切り離して考えることも大切です。

まとめの一言

 不採用は終わりではない。次の扉を探す合図かもしれない。


#不採用通知
#就活不安
#就活物語 

2026年6月22日月曜日

就活物語 不合格 内定なし|友達の内定報告がつらかった日


 六月も終わりに近づく頃、周囲から聞こえてくる内定報告。喜ばしいはずなのに、なぜか素直に喜べない。そんな気持ちを抱えた学生は少なくありません。

友達の「おめでとう」が苦しかった

 昼休みの学生ラウンジはいつもより賑やかだった。

「内定もらったよ!」

そんな声が聞こえた瞬間、健太は思わず顔を上げた。

同じゼミの友人だった。

周囲からは「おめでとう!」という声が上がる。健太も笑顔を作り、「おめでとう」と声をかけた。

 しかし、その帰り道だった。

胸の奥が重かった。

友人が悪いわけではない。むしろ努力していたことも知っている。それでも、自分だけが取り残されたような気持ちになった。

六月になっても内定はない。

面接も思うように進まない。

「自分だけ何かが足りないのだろうか」

そんな考えが頭をよぎる。

 その夜、健太は就活ノートを開いた。

すると、四月に書いた言葉が目に入った。

「自分に合う会社を見つける」

そこには、誰かと競争するためではなく、自分の未来を探すために就活を始めた自分がいた。

 就活は順位を競うものではない。

早く決まる人もいれば、時間をかけて納得できる会社と出会う人もいる。

友人の内定と、自分の価値は関係ない。

そう思えたとき、少しだけ肩の力が抜けた。

 焦る気持ちは消えない。

それでも健太は、もう一度求人票を開いてみようと思った。

解説

 就活中は友人の内定報告に焦りを感じることがあります。しかし、就活は競争ではなく、自分に合う進路を見つける活動です。他人と比較するより、自分のペースを大切にしましょう。

まとめの一言

 友達の内定はゴールではない。あなたの道は、まだ続いている。


#就活不安
#内定なし
#就活物語 

2026年6月21日日曜日

就活物語|仕事の失敗|落ち込んだ帰り道


 その失敗は、本当に小さなものだった。

資料の数字を一つ、入力し間違えていた。

すぐに修正できた。

大きな問題にはならなかった。

 けれど、自分の中では大きかった。

「気をつけていたのに」

その言葉が頭の中を何度も回る。

先輩は責めなかった。

むしろ優しく教えてくれた。

それでも落ち込む。

 会社を出る。

夕方の空は少し曇っていた。

駅までの道が、いつもより長く感じる。

新人だから失敗する。

頭では分かっている。

けれど、実際に失敗すると苦しい。

 ふとスマートフォンを見る。

入社初日の写真が残っていた。

あの日の自分は、何もできなくて当然だった。

今もまだ、成長の途中なのだろう。

そう思うと、少しだけ気持ちが落ち着いた。

 失敗しない人になるのではなく、失敗から学べる人になろう。

駅のホームに立ちながら、静かにそう思った。


#仕事の失敗
#新人の成長
#社会人一年目 

2026年6月20日土曜日

就活物語|仕事の達成感|初めて褒められた仕事


 入社してから数週間。

毎日が覚えることばかりだった。

電話応対。

資料整理。

データ入力。

小さな仕事でも、失敗しないように必死だった。

 その日も、頼まれた資料を何度も確認して提出した。

正直、自信はなかった。

間違いがあるかもしれない。

どこか抜けているかもしれない。

そう思いながら先輩へ渡した。

 しばらくして、先輩が席までやって来た。

「ありがとう。とても見やすかったよ。」

一瞬、言葉の意味が理解できなかった。

そして次の瞬間、胸の奥が少しだけ温かくなった。

 大きな成果ではない。

特別な仕事でもない。

それでも、自分がやったことを認めてもらえた。

それがうれしかった。

会社の窓から見える青空が、いつもより少し明るく見えた。

 帰り道。

駅へ向かう足取りが、ほんの少し軽くなっていた。


#仕事の達成感
#新人研修
#社会人一年目 

2026年6月19日金曜日

就活 面接対策|60話を通して伝えたかったこと

  面接対策シリーズを60話書いてきました。

 入室のマナーから始まり、志望動機、自己PR、ガクチカ、逆質問、最終面接まで、多くのテーマを取り上げてきました。

 しかし、60話を通して私が最も伝えたかったことは、面接のテクニックではありません。

面接は、自分を良く見せる場ではなく、自分を知ってもらう場だということです。

学生の皆さんは、「正解を言わなければならない」と考えがちです。しかし企業が知りたいのは、その人らしさです。

自分が何を大切にしているのか。

どんな経験をしてきたのか。

どんな未来を描いているのか。

それを自分の言葉で伝えることが大切です。

 就活では不安になることもあります。

不合格に落ち込むこともあります。

それでも、自分と向き合った経験は必ず未来につながります。

面接はゴールではありません。

社会人として歩み始めるためのスタートラインです。

皆さんが、自分らしい未来に出会えることを願っています。


新 久(Arai Hisashi)
 就活面接対策シリーズ全60話を最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

私はこれまで、システムエンジニアとして働き、その後、専門学校で学生の就職支援に携わってきました。

 その中で感じたのは、就活で本当に大切なのは「完璧な答え」を持つことではなく、「自分らしさ」を見つけることだということです。


この60話が、皆さんの未来をひらく小さなきっかけになれば幸いです。

面接の先には、皆さん一人ひとりの人生があります。

皆さんが、自分らしい未来と出会えることを心から願っています。


― 新 久


就活物語 親との関係|親の「まだ決まらないの?」が刺さった夜

 就活が長引くほど、家族との会話がつらくなることがあります。心配してくれていると分かっていても、その一言に傷ついてしまう夜があります。 悪気がないと分かっているけれど  夕食の時間だった。 遥香は食卓で黙ったまま箸を動かしていた。 その時、母親が何気なく聞いた。 「就活、どう?」...