2026年10月26日月曜日

就活物語 秋採用の会社説明会|小さな会社の説明会に参加した


 10月も終わりに近づいた月曜日。翔太は、キャリアセンターの先生から紹介された会社の説明会に参加しました。これまで知らなかった中小企業で、最初は不安もありました。しかし、社員の話を直接聞くうちに、会社の規模や知名度だけでは分からない魅力が見えてきます。

会社の規模では分からない、仕事の魅力

 月曜日の午後。

翔太は、駅から少し歩いたところにある会社の前に立っていた。

キャリアセンターの先生から紹介された、システム開発会社だった。

建物は思っていたより小さく、入口にも大きな看板はない。

「本当に、ここでいいのかな……」

少し緊張しながら受付へ向かうと、社員が笑顔で迎えてくれた。

 説明会の参加者は、翔太を含めて三人。

会議室では、採用担当者と若手社員が会社の仕事について話してくれた。

大企業のような華やかな紹介映像はなかった。

その代わり、実際に担当した仕事や、お客様とのやり取りについて、具体的な説明があった。

「私たちの仕事は、システムを作って終わりではありません。お客様が安心して使えるように支えることも大切なんです」

その言葉が、翔太の心に残った。

 説明会の最後には、質問する時間が設けられた。

翔太は少し迷ってから手を挙げた。

「入社してから、仕事はどのように覚えていくのでしょうか」

担当者は、新人研修や先輩社員による指導について説明してくれた。

まだ分からないことは多い。

でも、質問できたことで、少し安心した。

 帰り道、翔太は会社の建物を振り返った。

知らない会社だった。

けれど、知らなかっただけで、自分に合わない会社とは限らない。

今日は、そのことを実感できた気がした。

まとめの一言

 企業の魅力は、知名度や規模だけでは分かりません。実際に働く人の話を聞くことで、自分に合う仕事や環境を見つける手がかりが得られます。


#就活
#秋採用
#会社説明会

2026年10月25日日曜日

それぞれの、働く理由|介護と仕事|母の介護が始まって、働き方を考えた日


 「しばらく、一人で暮らすのは難しいかもしれません。」

病院の相談員からそう告げられたとき、由紀は言葉を失った。

 四十八歳。

都内の会社で事務職として働いている。

母は七十八歳。

地方の実家で、一人暮らしを続けていた。

電話ではいつも元気だった。

「私は大丈夫だから、仕事を頑張りなさい。」

それが母の口癖だった。

 けれど、突然の入院をきっかけに、生活は大きく変わった。

退院後も、以前のように一人で暮らすことは難しいという。

病院との面談。

介護サービスの相談。

実家の片づけ。

仕事を休んで帰省する日が増えていった。

 「このまま、仕事を続けられるのかな。」

帰りの電車で、由紀は何度も考えた。

今の仕事は好きだった。

長く勤めてきた会社には、信頼できる同僚もいる。

でも、母を一人にしておくこともできない。

 ある日、母がぽつりと言った。

「あなたの仕事まで、犠牲にしなくていいからね。」

由紀は返事に困った。

母のことが心配だった。

でも、仕事を辞めれば生活や将来への不安もある。

何を優先すればよいのか、答えが見つからなかった。

 翌週、由紀は思い切って上司に相談した。

「母の介護が必要になりそうなんです。今後の働き方について相談させてください。」

上司は静かに話を聞いてくれた。

「すぐに結論を出さなくてもいいよ。使える制度や働き方を一緒に確認しよう。」

その言葉に、少しだけ気持ちが軽くなった。

 介護休暇や介護休業。

在宅勤務や勤務時間の調整。

地域の介護サービス。

調べてみると、考えられる選択肢はいくつもあった。

もちろん、制度があればすべて解決するわけではない。

母の状態も、これから変わっていくだろう。

それでも、仕事を辞めるか、母を支えるか。

その二つだけで考える必要はないのかもしれない。

 日曜日の夕方。

実家の台所で、母と並んでお茶を飲んだ。

「無理しないでね。」

母が言った。

由紀は笑って答えた。

「お母さんもね。」

これからの生活がどうなるのか、まだ分からない。

 でも、一人で全部を抱え込まなくてもいい。

働くことも、母を大切にすることも、自分の人生を守ることも。

どれか一つを諦める前に、できることを探してみよう。

由紀は、窓の外に広がる秋の夕空を見つめた。


#介護と仕事の両立
#働き方を考える
#家族を支える 

2026年10月24日土曜日

それぞれの、働く理由|育児と仕事|子どもが生まれて、働く理由が変わった日


 「お父さんになったんだね。」

病室で、生まれたばかりの娘を抱いたとき、妻がそう言って笑った。

翔平は三十二歳。

住宅設備メーカーの営業職として働いている。

これまでは、仕事で成果を出すことが何より大切だった。

営業成績を上げたい。

昇進したい。

もっと収入を増やしたい。

そのためなら、多少の残業も休日出勤も仕方がないと思っていた。

 けれど、娘が生まれてから、少しずつ気持ちが変わり始めた。

仕事を終えて帰宅すると、小さな寝息を立てる娘がいる。

妻は慣れない育児に追われ、疲れた表情を見せることもあった。

「今日も遅くなって、ごめん。」

そう言うと、妻は笑顔で答えた。

「大丈夫。でも、少しだけ一緒にいてくれるとうれしいな。」

その言葉が、胸に残った。

 ある日、上司から新しい大型案件の担当を打診された。

以前なら迷わず引き受けていただろう。

しかし今回は、すぐに返事ができなかった。

仕事で認められたい気持ちは変わらない。

でも、娘の成長も見守りたい。

妻と一緒に子育てをしたい。

どちらも、自分にとって大切なことだった。

 翌日、翔平は上司に相談した。

「挑戦したいです。ただ、家庭との時間も大切にしたいので、仕事の進め方を相談させてください。」

上司は少し考えてから言った。

「分かった。チームで進められる方法を考えよう。」

もちろん、すべてが思いどおりになるわけではない。

忙しい日は続くだろう。

それでも、自分の希望を伝えたことで、少し前に進めた気がした。

 その夜、娘を抱きながら、翔平はふと思った。

以前は、自分の成功のために働いていた。

今は、守りたい家族がいる。

でも、それだけではない。

家族と過ごす時間を大切にしながら、自分自身も成長していきたい。

 働く理由は、一つではなくなった。

娘の小さな手が、翔平の指をぎゅっと握った。

その温かさを感じながら、これからの働き方を少しずつ考えていこうと思った。


#育児と仕事の両立
#働く理由
#家族との時間 

2026年10月23日金曜日

就活物語 自己分析のやり直し|もう一度、自分の強みを考えた


 不採用が続き、自信を失いかけていた翔太。しかし、健太や美咲に話を聞いてもらったことで、少しずつ気持ちが落ち着いてきました。週末を前に、翔太は就活ノートを開き、もう一度自分の強みを考え始めます。これまで見落としていた自分らしさに気づく一日です。

自分では当たり前だと思っていたことが強みになる

 金曜日の夕方。

翔太は、大学の図書館で就活ノートを開いていた。

最初のページには、春に書いた自己分析のメモが残っている。

「自分の強み」

その下には、いくつかの言葉が並んでいた。

責任感がある。

真面目に取り組む。

最後まで諦めない。

どれも間違いではないと思う。

 でも、面接で話そうとすると、うまく説明できなかった。

翔太は、ペンを置いて考えた。

今週、健太や美咲が話を聞いてくれた。

二人は、無理に励ましたり、答えを押しつけたりしなかった。

そのことが、うれしかった。

「僕も、人の話を聞くのは嫌いじゃないな」

 翔太は、ゼミでの出来事を思い出した。

グループ研究では、意見がまとまらないことがあった。

そんなとき、メンバーの話を一人ずつ聞き、共通する考えを整理していた。

資料の確認や、細かな修正も担当することが多かった。

目立つ役割ではない。

でも、誰かがやらなければならない仕事だった。

 翔太は、ノートに書き加えた。

「相手の話を丁寧に聞ける」

「情報を整理することが得意」

「細かな確認を続けられる」

特別な能力ではないかもしれない。

それでも、自分が経験してきたことには違いない。

 先週、先生が紹介してくれた会社を思い出した。

お客様の困りごとを聞き、解決方法を考える仕事。

もしかすると、自分の強みを生かせる場面があるのかもしれない。

翔太は、少しだけ笑った。

自分には何もないと思っていた。

でも、まだ気づいていない強みがあるのかもしれない。

まとめの一言

 自分の強みは、特別な成果だけにあるわけではありません。日々の経験を振り返ることで、当たり前だと思っていた自分の良さに気づくことができます。


#就活
#自己分析
#自分の強み 

2026年10月22日木曜日

就活物語 傾聴の大切さ|友人の話をただ聞いてみた


 就職活動を続ける翔太のことが気になっていた美咲。何か役に立てることはないかと考えていましたが、無理に助言することが相手のためになるとは限りません。ある日、翔太と話す機会ができた美咲は、答えを出そうとせず、まず相手の話を聞いてみることにしました。

相手を理解しようとすることから始まる支援

 木曜日の午後。

美咲は、大学の図書館を出たところで翔太と出会った。

「翔太、久しぶり。元気?」

翔太は、少し困ったように笑った。

「うん、まあ……」

美咲は、その表情が気になった。

 二人は、近くのベンチに腰を下ろした。

しばらく授業や卒業研究の話をしていると、翔太がぽつりと言った。

「実は、まだ就活が決まらなくて」

美咲は、静かにうなずいた。

「そうだったんだ」

 翔太は、少しずつ話し始めた。

何社も不採用になったこと。

周囲が内定式を終えて、焦っていること。

最近は、自分に自信が持てなくなっていること。

美咲は、何か言葉をかけようと思った。

でも、途中でやめた。

 自分が知っている就活の方法を伝えても、今の翔太に必要なこととは限らない。

「それは、つらかったね」

美咲がそう言うと、翔太は少し安心したように見えた。

「うん。何か、ずっと焦ってて」

美咲は、最後まで話を聞いた。

相手の話を聞くことは、ただ黙っていることではない。

相手が何を感じ、何に困っているのかを理解しようとすることだ。

そして、必要なときには、相談できる場所や人につなぐことも大切になる。

 話が終わる頃、翔太は少し笑った。

「聞いてくれて、ありがとう」

美咲は答えた。

「また話したくなったら、いつでも聞くよ」

何かを解決したわけではない。

でも、それだけで意味のある時間だった。

まとめの一言

 相手を支える第一歩は、答えを教えることではなく、気持ちを理解しようとすること。話を聞くことも、人を支える大切な力です。


#就活
#傾聴
#友人の支え 

2026年10月21日水曜日

就活物語 就活ストレス|「頑張れ」がつらい日もある


 就職活動が長引く翔太は、周囲からの「頑張れ」という言葉を素直に受け取れなくなっていました。応援してくれていることは分かっています。それでも、これ以上どう頑張ればよいのか分からない。そんな気持ちを抱える翔太が、自分の心の状態に目を向ける一日です。

頑張り続けることだけが、就活を乗り越える方法ではない

 水曜日の夜。

翔太は、自宅の机に向かっていた。

開いたままのノートには、企業研究のメモが並んでいる。

でも、なかなか次のページへ進めなかった。

 夕方、家族から声をかけられた。

「就活、頑張ってね」

いつもの何気ない言葉だった。

応援してくれていることは、よく分かっている。

それなのに、翔太の心は少し重くなった。

「これ以上、どう頑張ればいいんだろう」

 春から、ずっと頑張ってきたつもりだった。

説明会に参加し、履歴書を書き、面接を受けた。

不採用になっても、次の会社を探した。

それでも、結果が出ない。

周囲から励まされるほど、自分の努力が足りないように感じてしまう。

翔太は、ノートを閉じた。

 昨日、健太が話を聞いてくれたことを思い出す。

健太は、無理に励まそうとはしなかった。

ただ、自分の話を聞いてくれた。

それが、少しうれしかった。

「疲れていたんだな、僕」

翔太は、初めてそう認めた。

 就活では、行動することが大切だ。

でも、疲れたまま無理を続ければ、考える余裕までなくなってしまう。

ときには休み、気持ちを整える時間も必要だ。

翔太は、パソコンの電源を切った。

今日は、これ以上求人を探さないことにした。

明日になれば、また違う気持ちで考えられるかもしれない。

休むことも、次の一歩のための準備なのだから。

まとめの一言

 頑張っている人にとって、「頑張れ」が負担になる日もあります。疲れを感じたときには、休むことも自分を大切にする行動です。


#就活
#就活ストレス
#メンタルウェルネス 

2026年10月20日火曜日

就活物語 就活中の友人への接し方|就活中の友人に何を言えばいい


 内定式を終えた健太は、まだ就職活動を続けている翔太のことが気になっていました。励ましたい気持ちはあるものの、どんな言葉をかければよいのか分かりません。自分が内定を得たからこそ、相手を傷つけてしまうのではないか。健太は友人との向き合い方を考え始めます。

励ますよりも大切な、相手の気持ちを受け止めること

 火曜日の昼休み。

健太は、大学の廊下で翔太を見かけた。

いつもより元気がないように見える。

「翔太、最近どう?」

声をかけると、翔太は少し笑った。

「うん、まあ、ぼちぼちかな」

 その表情を見て、健太は何となく察した。

就活が、うまく進んでいないのかもしれない。

「きっと大丈夫だよ」

そう言いかけて、健太は言葉を止めた。

 自分も、就活中には何度も不採用を経験した。

そのたびに、周囲から励まされることがあった。

ありがたいと思う一方で、素直に受け取れない日もあった。

「大丈夫」と言われても、何を根拠にそう言えるのだろう。

そんなふうに感じたこともある。

 健太は、翔太の隣を歩きながら尋ねた。

「最近、忙しい?」

「うん。就活のこと、いろいろ考えてて」

翔太は、少しずつ話し始めた。 

不採用が続いていること。

求人を探しても、自信が持てないこと。

健太は、途中で口を挟まずに聞いていた。

何か役に立つ助言をしなければ。

最初は、そう思っていた。

 でも、話を聞いているうちに気づいた。

今の翔太に必要なのは、正しい答えではないのかもしれない。

「そっか。大変だったんだな」

健太がそう言うと、翔太は小さくうなずいた。

友人だからといって、悩みを解決できるとは限らない。

それでも、一人ではないと感じてもらうことはできる。

健太は、翔太と並んで食堂へ向かった。

まとめの一言

 就活中の友人を支えるために、必ずしも励ましや助言が必要なわけではありません。相手の話を聞き、気持ちを受け止めることも、大切な支えになります。


#就活
#友人との関係
#傾聴 

就活物語 秋採用の会社説明会|小さな会社の説明会に参加した

 10月も終わりに近づいた月曜日。翔太は、キャリアセンターの先生から紹介された会社の説明会に参加しました。これまで知らなかった中小企業で、最初は不安もありました。しかし、社員の話を直接聞くうちに、会社の規模や知名度だけでは分からない魅力が見えてきます。 会社の規模では分からない、...