就活が長引くほど、家族との会話がつらくなることがあります。心配してくれていると分かっていても、その一言に傷ついてしまう夜があります。
悪気がないと分かっているけれど
夕食の時間だった。
遥香は食卓で黙ったまま箸を動かしていた。
その時、母親が何気なく聞いた。
「就活、どう?」
遥香は少しだけ笑顔を作った。
「まだだよ」
すると今度は父親が言った。
「そうか。まだ決まらないの?」
その言葉に胸が痛んだ。
責められているわけではない。
心配しているだけだということも分かっている。
それでも、その一言は今の遥香には重かった。
六月も終わりに近づいている。
友人たちは少しずつ就活を終え始めている。
自分だけが立ち止まっているような気がしていた。
食事を終えると、遥香は自室に戻った。
ベッドに腰を下ろし、ため息をつく。
すると、しばらくして母親が部屋に入ってきた。
「ごめんね」
突然の言葉だった。
「お母さんも心配で聞いただけなの。でも、つらかったよね」
遥香は少し驚いた。
そして初めて、自分の不安を言葉にした。
母親は黙って話を聞いてくれた。
答えは出なかった。
状況も変わらなかった。
それでも、気持ちは少し軽くなった。
家族は時にプレッシャーになる。
しかし、本当は味方でいてくれる存在でもある。
そのことを、遥香は少しだけ思い出した。
解説
家族の言葉に傷つくことは珍しくありません。しかし多くの場合、その言葉の背景には心配があります。苦しい時は一人で抱え込まず、自分の気持ちを伝えてみることも大切です。
まとめの一言
心配の言葉が重い日もある。でも、味方は意外と近くにいる。
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