午後、一本の電話が入った。
以前対応したお客様だった。
「先日はありがとうございました。とても助かりました。」
受話器を置いてからも、その言葉が心に残った。
特別なことをしたつもりはなかった。
問い合わせを聞き、分からないところを調べ、先輩に確認してから返事をした。
それだけだった。
少し前までの私は、仕事とは「間違えないようにするもの」だと思っていた。
電話を取るのも怖かった。
失敗すれば落ち込んだ。
周りと比べて、自分だけ成長していないように感じた日もあった。
でも今は少し違う。
自分がした仕事の向こう側には、人がいる。
困っている人。
待っている人。
そして、ときには「ありがとう」と言ってくれる人。
帰り際、今度は私が忙しそうな後輩を少し手伝った。
「ありがとうございます。」
笑顔でそう言われ、私も自然に笑った。
仕事が好きになるというのは、仕事そのものが楽しくなることだけではないのかもしれない。
誰かの役に立ち、誰かと支え合う。
そのつながりが、仕事を好きにしてくれることもある。
会社を出ると、夏の終わりを感じる風が吹いていた。
今日の「ありがとう」を、明日の仕事へ持っていこうと思った。
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#仕事のやりがい
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