2026年1月31日土曜日

就活物語「枠が、もう一つあればと思った学生」

――不採用通知を書きながら、手が止まった――


 その学生の名前を、評価表から消すのに時間がかかった。

能力も、人柄も、申し分ない。

受け答えは誠実で、質問の意図も正確に汲み取っていた。

面接官の誰もが、「いい学生だ」と感じていた。

 それでも、結果は不採用。

理由は、はっきりしているようで、実はとても曖昧だった。

今回は、別の学生の経験が、配属予定の部署に“より近かった”。

その差は、紙一枚ほどのわずかなものだった。

 最終会議では、何度も名前が挙がった。

「この子を落としていいのか」

「将来性なら、むしろこちらではないか」

議論は尽きなかったが、採用枠は一つしかなかった。

 決定後、静かな空気が流れた。

誰も彼を否定していない。

ただ、「今回は縁がなかった」としか言いようがなかった。

 不採用通知の文面を整えながら、思う。

もし、もう一枠あったら。

もし、募集時期が少し違っていたら。

その“もし”が、頭から離れなかった。

 面接は、優劣を決める場ではない。

限られた条件の中で、選ばざるを得ない場だ。

彼は、確かに惜しかった。

そしてその事実は、今も私の中に残っている。


#面接官の視点
#惜しかった学生
#採用枠の現実 

2026年1月30日金曜日

「結果」より「考えている姿」が見えた


 就活の話になると、つい結果を聞きたくなってしまう。

 けれど最近は、子どもの話の内容が変わった。

どんな会社か。

何を感じたか。

 すぐに答えが出なくてもいい。

考えている姿を見られるだけで、少し安心する。

 インターンは、親にとっても、子どもを信じる時間をくれたのかもしれない。


#保護者の視点
#就活の見守り
#インターン理解 

2026年1月29日木曜日

「また来てくれたら嬉しい」と思えた学生


 インターン最終日。

学生が挨拶に来た。

特別な成果を出したわけではない。

けれど、質問し、考え、一つひとつを大切にしていた。

 「また会えたらいいな」

そんな言葉が、自然に浮かんだ。

 現場は、即戦力だけを求めているわけではない。

一緒に働く姿を想像できるかどうか。

それが、何より大事なのだと思う。


#現場担当者
#インターン最終日
#仕事の感覚 

2026年1月28日水曜日

インターン経験者のESは、視点が違う


 書類選考で、ふと目に留まるエントリーがある。

文章が特別うまいわけではない。

けれど、視点が具体的だ。

 インターンで見た現場。

話した社員。

そこから感じた違和感や魅力。

 それらが、自然に書かれている。

「ちゃんと考えたんだな」と伝わってくる。

 インターンは、選考を有利にするためのものではない。

だが、考えた痕跡は、確かに残る。


#企業人事
#書類選考
#インターン経験 

2026年1月27日火曜日

インターン後の面談で、話が深くなる理由


 インターンを経験した学生との面談は、空気が違う。

話が具体的で、迷いもはっきりしている。

 「合わなかった」

「意外と楽しかった」

その理由を、自分なりに説明しようとする。

 キャリアセンターの役割は、その言葉を整理し、問い返すことだ。

評価せず、否定せず、「それはどうして?」と聞く。

 インターンは、学生を一段成長させて戻してくる。

支援する側も、より深い対話ができるようになる。


#キャリアセンター
#面談
#インターン後支援 

2026年1月26日月曜日

インターン後「エントリーする理由が言葉になった」


 以前は、エントリーシートを書くたびに手が止まっていた。

志望動機を書く欄が、どうしても埋まらなかったからだ。

 インターンに参加してから、その感覚が変わった。

「なぜこの会社なのか」を、思い出せる場面が増えた。

誰がどんな雰囲気で働いていたか。

どんな考え方が大切にされていたか。

 企業を“体験した記憶”が、言葉の芯になった。

きれいな表現でなくても、自分の実感として書ける。

それだけで、エントリーが少し怖くなくなった。

 インターンは、企業を知る時間であると同時に、自分の言葉を見つける時間でもあった。


#学生の視点
#エントリーシート
#インターン効果 

2026年1月25日日曜日

就活物語「最後の一言で、流れが変わった学生」

――判断が決まった、その瞬間――


 その学生の面接は、ここまでの議論でも評価が割れていた。

受け答えは誠実で、大きな失点もない。

一方で、強く印象に残る決め手も見当たらず、「可もなく不可もなく」という言葉が、何度も資料の上を行き交っていた。

 能力、経験、適性。

どの項目を見ても一定の水準は満たしている。

しかし、最終枠を託すには、あと一歩が足りない――

それが、多くの面接官の共通認識だった。

 面接終了を告げ、形式的なやり取りが終わったあと。

彼は席を立ち、出口に向かいながら、少しだけ足を止めた。

 「今日の面接で、自分の足りない点がはっきりしました。

もしご縁がなかったとしても、次に活かします。

貴重な時間を、本当にありがとうございました。」

 言葉は短く、飾り気もない。

だが、その声には覚悟があった。

評価を求めるための一言ではなく、自分の立ち位置を受け止めた上での言葉だった。

 ドアが閉まったあと、沈黙が流れた。

そして、誰かが静かに言った。

「この子、ちゃんと前を向いてるね。」

 最終的な結論は採用。

決め手になったのは、スキルでも実績でもない。

自分を見つめ、次に進もうとする姿勢だった。

 面接とは、完成度を測る場ではない。

変化し続けられるかどうかを、見極める場でもある。

そのことを、この学生が最後に教えてくれた。


#面接官の視点
#最後の一言
#判断の決め手 

2026年1月24日土曜日

就活物語「成長していることは確かだった学生」

――“今”と“これから”の間で揺れた評価――


 その学生の話を聞いていて、ひとつだけはっきりしていたことがある。

入学当初より、確実に成長している。

それは、言葉の端々や、過去を振り返る視点から明らかだった。

 以前はうまくいかなかった経験、失敗した場面。

彼はそれを隠さず、「当時はこう考えていたが、今はこう思う」と整理して語った。

自己分析の深さや、振り返る力は高く評価された。

 ただ、面接官の間で迷いが生まれたのは、その“現在地”だった。

確かに成長している。

だが、現場に立ったとき、即戦力として動けるか。

それとも、もう一段階の経験が必要か。

 議論では、こんな声が出た。

「伸びしろは大きい」

「でも、今このタイミングで迎えるべきかは悩ましい」

 比較対象となった学生は、成長の物語こそ少なかったが、

現時点で任せられる業務のイメージが具体的だった。

その“今できること”が、評価をわずかに上回った。

 結果は不採用。

しかし、不思議と後味は悪くなかった。

「半年後、一年後に、もう一度会いたい」

そんな言葉が、自然と口をついて出た。

 面接では、完成度だけでなく、

成長の途中にある人材をどう見るかが問われる。

私たちはその可能性を感じながら、

最後まで“時期”という判断に迷っていた。


#面接官の視点
#成長過程の評価
#タイミングの判断 

2026年1月23日金曜日

インターンの話を、自然に聞けるようになった


 以前は、就活の話題になると少し身構えていた。

結果を急がせてしまいそうで、言葉を選んでいた。

 でも最近は違う。

子どもから、自然に話してくる。

「こんな人がいた」

「こういう仕事は違うと思った」

 その一つひとつが、ちゃんと考えている証だと分かる。

 親ができるのは、答えを出すことではない。

話を聞き、見守ること。

 インターンを通して、子どもだけでなく、親の向き合い方も変わっていった。


#保護者の視点
#見守る就活
#インターン理解 

2026年1月22日木曜日

教えることで、自分の仕事が整理された


 インターン生に説明しながら、「なぜこの手順なのか」を言葉にする。

 普段は無意識にやっていることが、説明しようとすると意外と難しい。

 その過程で、自分の仕事が整理されていく。

改善点や、当たり前だと思っていた非効率にも気づく。

 インターンは学生の学びの場。

同時に、現場にとっても学びの場だ。

 教えることで、仕事は磨かれる。

そんな当たり前のことを、久しぶりに思い出した。


#現場担当者
#仕事の再発見
#教える学び 

2026年1月21日水曜日

「質問の質」で、学生の本気が伝わる


 インターンの終盤、質疑応答の時間がある。

そのとき、はっきり差が出る。

 表面的な質問と、実際に見て、感じて出てきた質問。

後者には、自然とこちらも本気で答えたくなる。

 「今日の業務で一番大変そうだった点は何ですか?」

そんな一言に、ちゃんと見てくれていたんだな、と感じる。

 インターンは評価の場ではない。

けれど、対話を通じて伝わる姿勢は確かにある。

 学生の本気は、質問の中に表れる。


#企業人事
#インターン対話
#学生の本気 

2026年1月20日火曜日

「参加した数」より「振り返った深さ」


 「何社インターンに行けばいいですか?」

毎年、必ず聞かれる質問だ。

 私はこう答える。

「大事なのは数より、振り返りだよ。」

 一社でも、何を感じ、何に違和感を持ち、次にどう生かすかを考えられたなら、それは十分な経験だ。

 逆に、数だけ重ねても、何も残らなければ意味が薄い。

 面談で学生が、自分の言葉で語り始めたとき、インターンが“経験”になったと感じる。

 キャリア支援とは、答えを与えることではない。

考えを言葉にする手助けをすることだと、改めて思う。


#キャリア支援
#振り返り
#大学職員の役割 

2026年1月19日月曜日

インターン後「企業を見る目が変わった」


 インターンに参加する前、企業は「名前」と「条件」で見ていた。

業界、規模、福利厚生。

ナビサイトに並ぶ情報を比べて、良さそうなところを選んでいた。

 けれど、実際に現場に入ってみて分かった。

同じ業界でも、空気はまったく違う。

話し方、会議の進め方、ミスへの向き合い方。

数字には載らない部分こそ、働くうえで大切なのだと気づいた。

 インターン後、企業説明会の見方が変わった。

「どんな人が、どんな表情で話しているか」

そんなところまで、自然と目が向くようになった。

 就活は、選ばれる場であると同時に、自分が選ぶ場でもある。

その感覚を持てたことが、いちばんの収穫だった。


#学生の視点
#企業理解
#インターン後の変化 

2026年1月18日日曜日

就活物語「協調性は高いが、個が見えにくかった学生」

――判断が揺れた、その理由――


 その学生は、終始穏やかだった。

相手の話をよく聞き、うなずき、否定的な言葉を使わない。

チームでの経験を語る場面では、

「みんなで」「周囲と相談して」「意見をすり合わせて」

そんな言葉が自然に並んだ。

 評価は高かった。

「協調性がある」「トラブルを起こしにくそう」「組織向き」

どれも現場では重要な資質だ。

 だが、面接後の議論で、ある問いが浮かび上がった。

「この人自身は、どう考えているのだろうか?」

 意見が対立したとき、自分はどう動いたのか。

納得できない場面で、どう折り合いをつけたのか。

そうした質問を重ねても、答えは常に“全体”に向かっていた。

個人としての葛藤や判断が、最後まで見えなかった。

 比較された学生は、協調性では劣っていたかもしれない。

だが、自分の意見を持ち、衝突し、調整した経験を率直に語っていた。

その「個」が、わずかに評価を上回った。

 結果は不採用。

ただ、「チームに入れば、間違いなく信頼される存在になる」という声も多かった。

 協調性は、大きな強みだ。

だが、組織の中では、

“個としての軸”と結びついたとき、さらに力を発揮する。

私たちは、その軸を見極めきれず、最後まで迷っていた。


#面接官の視点
#協調性の評価
#個の見えにくさ 

2026年1月17日土曜日

就活物語「自信はあるが、柔軟さが読めなかった学生」

――判断が割れた、その分かれ目――


 その学生は、はっきりとした口調で話していた。

質問には即答し、自分の考えを迷いなく述べる。

「主体性がある」「自信を持っている」

面接官の多くが、そこを高く評価していた。

 だが、議論が始まると、別の視点も浮かび上がった。

「自分の考えに固執しすぎていないか」

「意見が違ったとき、歩み寄れるだろうか」

 面接中、彼は自分の成功体験を中心に語っていた。

判断の早さ、決断力、リーダーシップ。

どれも魅力的だが、失敗や迷いの話はほとんど出てこなかった。

問いを変えても、「自分ならこうする」という答えが続く。

 現場では、正解が一つとは限らない。

意見がぶつかり、調整が必要になる場面も多い。

そのとき、彼はどんな表情を見せるのだろうか――

そこが最後まで想像しきれなかった。

 比較対象となった学生は、判断に迷った経験や、

人の意見を取り入れて考え直した話を語っていた。

その“揺れ”が、柔軟性として評価された。

 結果は不採用。

能力や自信が足りなかったわけではない。

ただ、組織の中で変化していく姿が、少し見えにくかった。

 自信は大切だ。

だが、それが他者と交わる余地を持つかどうか。

私たちは、その一点で、最後まで迷っていた。


#面接官の視点
#自信と柔軟性
#判断が割れた理由 

2026年1月16日金曜日

「違った」と言えるようになった成長


 インターンから帰った子どもは、少し考え込んだ顔をしていた。

「思ってたのと、違ったかも。」

 その言葉に、最初は不安を感じた。

でも、続けてこう言った。

「でも、それが分かってよかった。」

 以前なら、

「どこでもいいから決めなさい」

と言っていたかもしれない。

 今は違う。

自分で考え、選び直す力を身につけていることが、何より嬉しい。

 就活は、結果だけを見るものではない。

その過程で、人として成長していることに、親は気づかされる。


#保護者の視点
#子どもの成長
#就活理解 

2026年1月15日木曜日

学生の質問で、仕事の意味を思い出した


 インターン生から、ふと聞かれた。

「この仕事って、何のためにあるんですか?」

 一瞬、言葉に詰まった。

毎日やっているのに、改めて考えたことがなかった。

 説明しながら、自分自身に問い直していることに気づく。

誰の役に立っているのか。

何を守っているのか。

 学生のまっすぐな質問は、

仕事の原点を思い出させてくれる。

 インターンは教える場。

でも同時に、働く意味を再確認する場でもある。


#現場の気づき
#仕事の意味
#学生の質問 

2026年1月14日水曜日

インターンで「辞退される」ことも想定している


 インターン後、必ずしも応募につながるとは限らない。

それを残念に思わないかと言えば、嘘になる。

 それでも私たちは、無理に引き留めない。

インターンは相互理解の場だからだ。

 学生が「違う」と感じたなら、

それは企業側にとっても大切な情報だ。

入社後のミスマッチを防ぐことにつながる。

 むしろ、

「正直に考えてくれてありがとう」

そう伝えたい。

 短期的な採用数より、

長く一緒に働ける関係を大切にしたい。

 インターンは、企業の姿勢が問われる場でもある。


#企業人事
#ミスマッチ防止
#採用の本質 

2026年1月13日火曜日

「合わなかった」という報告が、いちばん大事なとき


 面談で学生が言う。

「正直、合わない気がしました。」

 以前なら、そう言う学生は少なかった。

今は違う。

インターンを経験した学生ほど、自分の感覚を言葉にできる。

 私は必ず聞く。

「どこが合わなかったと思う?」

 その問いに答える過程で、学生は整理していく。

働き方。

人との距離感。

自分が大切にしたい価値。

 インターンは成功体験だけを持ち帰る場所ではない。

違和感を持ち帰り、次の選択に生かす場でもある。

 学生が「失敗だったかも」と言ったときこそ、

キャリア支援の出番だと感じている。


#キャリア面談
#進路整理
#大学支援 

2026年1月12日月曜日

インターンで気づいた「向いていない仕事」も大切な収穫


 インターンを終えて、正直に言うと「この仕事は自分には合わないかもしれない」と感じた。

最初は、その気持ちを認めるのが怖かった。

せっかく参加したのに、成果がなかったように思えたからだ。

 しかし、振り返ってみると違った。

業務の進め方、スピード感、求められる役割。

どれも「嫌だ」というより、「自分らしくない」と感じただけだった。

 社員の方が言っていた。

「合わないと分かるのも、インターンの大事な成果だよ。」

 その言葉で、肩の力が抜けた。

向いていない仕事を知ることは、

向いている仕事に近づくことでもある。

 就活は、正解を探す旅じゃない。

“納得できる選択”を積み重ねる時間なんだと、少し理解できた。


#学生の学び
#向き不向き
#インターンの成果 

2026年1月11日日曜日

就活物語「素直さはあるが、踏み込みが足りなかった学生」

――評価が揺れた、その理由――


 その学生は、最初から好印象だった。

受け答えは丁寧で、分からないことは正直に「分かりません」と言える。

無理に背伸びせず、等身大で向き合おうとする姿勢に、誠実さを感じた。

 評価シートには「素直」「吸収力がありそう」「指導しやすい」という言葉が並ぶ。

一方で、面接が進むにつれて、別の意見も出始めた。

「受け身に見える」

「自分から踏み出す場面が想像しにくい」

 彼は質問に対して、きちんと考え、真面目に答えていた。

ただ、その答えは常に“相手の期待を外さない”ところに収まっていた。

自分の考えを一歩踏み込んで語る場面が、最後まで少なかった。

 議論になったのは、「素直さが、この先どう変わるか」だった。

教えられれば伸びるタイプなのか。

それとも、指示を待ち続けてしまうのか。

その分かれ目が、面接の中では見えなかった。

 最終的に比較された学生は、拙くても自分の意見をぶつけてきた。

正解かどうかより、「自分で考えて動こうとする姿勢」が、わずかに評価を上回った。

 結果は不採用。

だが、「現場によっては、ぜひ迎えたい人材だ」という声も多かった。

 素直さは、確かな強みだ。

ただ、それが“自分の意思”と結びついたとき、評価は大きく変わる。

私たちは、その一歩を見極めきれず、迷っていた。


#面接官の視点
#素直さの評価
#踏み込み不足 

2026年1月10日土曜日

就活物語「熱意は十分、方向が定まらなかった学生」

――評価が割れた、その理由――


 その学生からは、強い熱意が伝わってきた。

声の張り、言葉の選び方、視線の強さ。

「この会社で働きたい」という気持ちは、疑いようがなかった。

 評価シートには、「意欲が高い」「前向き」「エネルギーがある」といった言葉が並んだ。

一方で、議論が始まると、別の意見も出てきた。

「やりたいことが多すぎる」

「結局、何を軸に成長したいのかが見えにくい」

 彼は質問されるたびに、意欲的に答えていた。

企画、営業、広報、マネジメント――

どの話題にも興味を示し、可能性を語る。

だが、その幅広さが、逆に不安を生んでいた。

 面接官の間で焦点になったのは、「配属後の姿が想像できるかどうか」だった。

現場では、まず一つの役割を深く担うことが求められる。

その覚悟や優先順位が、彼の言葉からは読み取りにくかった。

 最終的に比較対象となった学生は、選択肢は少なかったが、

「まずはこれをやり切りたい」と語っていた。

その具体性が、わずかに評価を上回った。

 結果は不採用。

ただし、「数年後にもう一度会ってみたい」という声も多かった。

 熱意は、大きな武器だ。

だが、その熱がどこへ向かうのか。

その方向性が見えたとき、評価はきっと変わっていただろう。


#面接官の視点
#評価が割れた理由
#熱意と方向性 

2026年1月9日金曜日

インターン後「就活が少し怖くなくなった」


 インターンが終わった帰り道、

私は以前より少しだけ前を向いて歩いていた。

 就活は、ずっと怖いものだった。

評価される場所。

落とされる場所。

 でも実際の現場を見て、働く人と話して、

仕事が“人と人の積み重ね”だと知った。

 完璧じゃなくていい。

成長途中でもいい。

そう思えたことで、心が軽くなった。

 インターンは、未来を決めてくれるものではない。

けれど、自分がどんな姿で社会に立ちたいかを考える

大きなヒントをくれた。

 就活はまだ続く。

それでも、もう一歩踏み出せそうな気がしている。


#学生の変化
#インターン後
#就活リアル 

2026年1月8日木曜日

現場が動くと、学生も動き出す


 インターン生を受け入れる日は、現場の空気が少し変わる。

いつもの作業も、「なぜこうしているのか」を説明する必要があるからだ。

 学生の視線は鋭い。

何気ない判断にも理由を求めてくる。

その問いに答えることで、自分の仕事を見直すことになる。

 ある学生が言った。

「この仕事、地味だけど面白いですね。」

 その言葉に、はっとした。

慣れすぎて見えなくなっていた価値を、

学生が映し出してくれたのだ。

 インターンは教える場であり、同時に学び直す場。

現場と学生が交わることで、新しい気づきが生まれる。


#現場担当者
#仕事の本質
#インターン受け入れ 

2026年1月7日水曜日

インターンは「選考」ではなく「対話」


 人事として、インターンを“選考の前段階”と見る声もある。

だが私たちは、あえて評価を急がない。

 インターンで見たいのは、完成された学生ではない。

戸惑いながらも考えようとする姿勢。

人の話をどう受け取るか。

 ある学生は、初日はほとんど話せなかった。

しかし最終日には、自分なりの意見を言葉にしていた。

その変化こそが、インターンの価値だと思う。

 短い期間で判断することは簡単だ。

けれど、対話を重ねることで見えるものがある。

 インターンは、企業が学生を見極める場であると同時に、

企業自身が“どんな人と働きたいか”を再確認する時間でもある。


#企業人事
#インターン設計
#対話の場 

2026年1月6日火曜日

キャリア支援の現場「送り出した後にできること」


 インターンに送り出すまでが、キャリアセンターの仕事だと思われがちだ。

しかし本当の支援は、その後に始まる。

 インターンを終えた学生は、必ず何かを抱えて戻ってくる。

楽しかった気持ち。

違和感。

思っていた自分とのズレ。

 面談では、結果よりも過程を聞く。

「何を感じた?」

「どこが引っかかった?」

 答えを整理するうちに、学生自身が気づいていく。

この業界が合いそうだということ。

逆に、向いていないと感じた理由。

 インターンは、就職先を決める材料であると同時に、

進路を“修正”するための大切な機会だ。

 学生が自分の言葉で語り始めたとき、

支援が機能したと感じる。


#キャリアセンター
#学生支援
#進路選択 

2026年1月5日月曜日

インターン体験「失敗してもいいと言われた日」


 インターン初日、私は必要以上に肩に力が入っていた。

「学生だから失敗できない」

そんな思い込みが、行動を鈍らせていた。

 会議中、資料の説明を任されたときも、声が震えた。

言葉に詰まり、沈黙が流れる。

その瞬間、終わったと思った。

 しかし、担当社員は笑って言った。

「大丈夫。ここは練習の場だから。」

 その一言で、視界が少し明るくなった。

完璧でなくていい。

知らないことは、知らないと言っていい。

 それからは、分からないことを素直に質問できるようになった。

失敗を恐れなくなった分、吸収できるものが増えた。

 インターンは評価の場だと思っていた。

でも実際は、自分の弱さをさらしても受け止めてもらえる場所だった。

その経験が、就活に向き合う心構えを変えてくれた。


#学生視点
#インターンの学び
#失敗から成長 

2026年1月4日日曜日

就活物語「真面目さが、判断を迷わせた学生」

――評価しづらかった、その理由――


 その学生の第一印象は、とにかく真面目だった。

姿勢は良く、言葉遣いも丁寧。質問に対しても、誠実に向き合おうとする姿勢がはっきり伝わってくる。

「安心して任せられそうだ」

面接官の多くが、そう感じていた。

 だが、面接が進むにつれて、別の声も出始めた。

「少し慎重すぎるかもしれない」

「判断を求められたとき、踏み出せるだろうか」

 彼は、どんな質問にも即答しなかった。

一度考え、言葉を選び、間違いのない答えを出そうとする。

その姿勢は評価できる一方で、

スピード感や思い切りの良さが求められる現場を想像すると、迷いが生じた。

 議論の中心になったのは、「真面目さは強みか、それとも壁になるか」だった。

別の学生は、判断ミスを恐れず、多少荒削りでも意見を出していた。

完成度では劣っていても、前に出る姿勢が評価された。

 最終的な結論は、不採用。

ただし、「育て方次第では、非常に堅実な戦力になる」という意見も強かった。

 面接では、長所がそのまま懸念点になることがある。

真面目さと慎重さ、その境界線。

私たちは、その線をどう引くべきか、最後まで迷っていた。


#面接官の視点
#真面目さの評価
#判断が分かれた理由 

2026年1月3日土曜日

就活物語「言葉は立派、行動がまだ見えなかった学生」

――評価が止まった、その理由――


 その学生の話し方は、とても上手だった。

志望動機も、自己PRも、企業研究も申し分ない。

こちらの質問に対しても、言葉に詰まることなく、論点を外さずに答えてくる。

「よく準備している」「受け答えは完成度が高い」

評価シートには、そんなコメントが並んだ。

 しかし、面接が進むにつれて、ある違和感が残り始めた。

彼の言葉はどれも正しい。

だが、「それを実際にどう行動に移したのか」を尋ねると、話が少し抽象的になる。

経験談はあるものの、具体的な工夫や失敗の跡が見えにくかった。

 議論の中で出たのは、こんな声だった。

「考え方は立派だけど、まだ“自分の手で動かした経験”が少ない気がする」

「現場に出たとき、最初の一歩を踏み出せるかどうかが読めない」

 最終的に比較されたのは、別の学生だった。

言葉は拙く、説明も整理されていなかったが、

自分で考えて動き、失敗し、立て直した話を必死に語っていた。

その“生々しさ”が、わずかに評価を上回った。

 結果は不採用。

だが、彼の言葉が軽かったわけではない。

むしろ、あと一歩、行動の裏づけがあれば、結果は変わっていたかもしれない。

 面接では、語れることと、やってきたことの距離が問われる。

その距離の差に、私たちは最後まで迷っていた。


#面接官の視点
#評価が止まった理由
#行動の裏づけ 

2026年1月2日金曜日

保護者の実感「話し方が、少し変わった気がした」


 夕食後、何気なく聞いてみた。

「インターン、どうだった?」

 すると、これまでとは違う答えが返ってきた。

企業の名前や内容だけでなく、

「自分はこう感じた」「ここが難しかった」と、言葉が続く。

 以前は、進路の話になるとどこか距離があった。

正解を求められているようで、話しにくかったのかもしれない。

 今夜は違った。

うまくいかなかった話も、迷った話も、自然に出てくる。

保護者は、黙ってうなずきながら聞いた。

 インターンが教えてくれたのは、仕事だけじゃない。

自分の考えを、自分の言葉で話す力だったのだろう。

 「無理しなくていいよ」

そう伝えると、子どもは少し照れたように笑った。

 それだけで、十分だった。


#保護者の視点
#インターン理解
#進路の対話 

2026年1月1日木曜日

現場の気づき「教えることで、自分が問われる」


 学生に説明していると、ふと手が止まることがある。

「なぜ、そうしているんですか?」

その質問に、言葉がすぐに出てこなかった。

 普段は無意識にやっている作業。

効率や慣習で動いてきた仕事を、改めて言葉にするのは難しい。

 学生は、急かさず待っていた。

メモを取りながら、真剣な目でこちらを見ている。

 説明しながら、現場担当者は気づいた。

自分自身も、考え直しているのだと。

「当たり前」を疑う時間は、いつの間にか失っていた。

 インターンは学生のためだけじゃない。

現場にとっても、立ち止まるきっかけになる。

 仕事は、説明できてこそ磨かれる。

そう実感した一日だった。


#現場担当
#インターン受け入れ
#仕事の再発見 

就活物語「最後の電話で、縁がすれ違った学生」

――あと一日、早ければ――  その学生は、一次面接から評価が安定して高かった。 明るさと論理性のバランスがよく、チームにもすぐ溶け込めるだろうという安心感があった。  最終面接後の評価会議では、ほぼ満場一致。 「ぜひ迎えたい」という空気が、会議室を包んでいた。  だが、問題は一つ...