2026年1月10日土曜日

就活物語「熱意は十分、方向が定まらなかった学生」

――評価が割れた、その理由――


 その学生からは、強い熱意が伝わってきた。

声の張り、言葉の選び方、視線の強さ。

「この会社で働きたい」という気持ちは、疑いようがなかった。

 評価シートには、「意欲が高い」「前向き」「エネルギーがある」といった言葉が並んだ。

一方で、議論が始まると、別の意見も出てきた。

「やりたいことが多すぎる」

「結局、何を軸に成長したいのかが見えにくい」

 彼は質問されるたびに、意欲的に答えていた。

企画、営業、広報、マネジメント――

どの話題にも興味を示し、可能性を語る。

だが、その幅広さが、逆に不安を生んでいた。

 面接官の間で焦点になったのは、「配属後の姿が想像できるかどうか」だった。

現場では、まず一つの役割を深く担うことが求められる。

その覚悟や優先順位が、彼の言葉からは読み取りにくかった。

 最終的に比較対象となった学生は、選択肢は少なかったが、

「まずはこれをやり切りたい」と語っていた。

その具体性が、わずかに評価を上回った。

 結果は不採用。

ただし、「数年後にもう一度会ってみたい」という声も多かった。

 熱意は、大きな武器だ。

だが、その熱がどこへ向かうのか。

その方向性が見えたとき、評価はきっと変わっていただろう。


#面接官の視点
#評価が割れた理由
#熱意と方向性 

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