2026年1月18日日曜日

就活物語|就活 協調性 自己PR|個が見えにくかった学生

――判断が揺れた、その理由――


 その学生は、終始穏やかだった。

相手の話をよく聞き、うなずき、否定的な言葉を使わない。

チームでの経験を語る場面では、

「みんなで」「周囲と相談して」「意見をすり合わせて」

そんな言葉が自然に並んだ。

 評価は高かった。

「協調性がある」「トラブルを起こしにくそう」「組織向き」

どれも現場では重要な資質だ。

 だが、面接後の議論で、ある問いが浮かび上がった。

「この人自身は、どう考えているのだろうか?」

 意見が対立したとき、自分はどう動いたのか。

納得できない場面で、どう折り合いをつけたのか。

そうした質問を重ねても、答えは常に“全体”に向かっていた。

個人としての葛藤や判断が、最後まで見えなかった。

 比較された学生は、協調性では劣っていたかもしれない。

だが、自分の意見を持ち、衝突し、調整した経験を率直に語っていた。

その「個」が、わずかに評価を上回った。

 結果は不採用。

ただ、「チームに入れば、間違いなく信頼される存在になる」という声も多かった。

 協調性は、大きな強みだ。

だが、組織の中では、

“個としての軸”と結びついたとき、さらに力を発揮する。

私たちは、その軸を見極めきれず、最後まで迷っていた。


#面接官の視点
#協調性の評価
#個の見えにくさ 

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