2026年1月24日土曜日

就活物語「成長していることは確かだった学生」

――“今”と“これから”の間で揺れた評価――


 その学生の話を聞いていて、ひとつだけはっきりしていたことがある。

入学当初より、確実に成長している。

それは、言葉の端々や、過去を振り返る視点から明らかだった。

 以前はうまくいかなかった経験、失敗した場面。

彼はそれを隠さず、「当時はこう考えていたが、今はこう思う」と整理して語った。

自己分析の深さや、振り返る力は高く評価された。

 ただ、面接官の間で迷いが生まれたのは、その“現在地”だった。

確かに成長している。

だが、現場に立ったとき、即戦力として動けるか。

それとも、もう一段階の経験が必要か。

 議論では、こんな声が出た。

「伸びしろは大きい」

「でも、今このタイミングで迎えるべきかは悩ましい」

 比較対象となった学生は、成長の物語こそ少なかったが、

現時点で任せられる業務のイメージが具体的だった。

その“今できること”が、評価をわずかに上回った。

 結果は不採用。

しかし、不思議と後味は悪くなかった。

「半年後、一年後に、もう一度会いたい」

そんな言葉が、自然と口をついて出た。

 面接では、完成度だけでなく、

成長の途中にある人材をどう見るかが問われる。

私たちはその可能性を感じながら、

最後まで“時期”という判断に迷っていた。


#面接官の視点
#成長過程の評価
#タイミングの判断 

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