――“今”と“これから”の間で揺れた評価――
その学生の話を聞いていて、ひとつだけはっきりしていたことがある。
入学当初より、確実に成長している。
それは、言葉の端々や、過去を振り返る視点から明らかだった。
以前はうまくいかなかった経験、失敗した場面。
彼はそれを隠さず、「当時はこう考えていたが、今はこう思う」と整理して語った。
自己分析の深さや、振り返る力は高く評価された。
ただ、面接官の間で迷いが生まれたのは、その“現在地”だった。
確かに成長している。
だが、現場に立ったとき、即戦力として動けるか。
それとも、もう一段階の経験が必要か。
議論では、こんな声が出た。
「伸びしろは大きい」
「でも、今このタイミングで迎えるべきかは悩ましい」
比較対象となった学生は、成長の物語こそ少なかったが、
現時点で任せられる業務のイメージが具体的だった。
その“今できること”が、評価をわずかに上回った。
結果は不採用。
しかし、不思議と後味は悪くなかった。
「半年後、一年後に、もう一度会いたい」
そんな言葉が、自然と口をついて出た。
面接では、完成度だけでなく、
成長の途中にある人材をどう見るかが問われる。
私たちはその可能性を感じながら、
最後まで“時期”という判断に迷っていた。
#面接官の視点
#成長過程の評価
#タイミングの判断

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