2025年12月31日水曜日

人事の視点「“成長”は短期間では測れない」


 インターン最終日、学生たちは成果発表を行った。

資料の完成度も、話し方も、それぞれ違う。

 だが人事が見ているのは、そこだけではない。

初日の戸惑い、途中で変わった態度、質問の仕方。

短い期間の中にも、小さな変化は確かにある。

 ある学生は、最初ほとんど話さなかった。

けれど最終日、発表後にぽつりとこう言った。

「まだ自信はないですが、考え続けたいです」

 その一言が、妙に心に残った。

完成された答えより、続いていく姿勢の方が、ずっと大事だと感じた。

 インターンで“完成”する学生はいない。

だからこそ、人事は“今”だけを切り取らない。

 この時間が、学生にとっても会社にとっても、未来につながる種であってほしい。

そう願いながら、静かに会場を後にした。


#企業人事
#インターン評価
#成長の視点 

2025年12月30日火曜日

キャリアの現場「“焦らなくていい”と伝える難しさ」


 インターンの相談が増える時期になると、キャリアセンターは少し慌ただしくなる。

「何社行くべきですか」「もう参加しないと遅いですか」

質問の多くは、不安から生まれている。

 目の前の学生も、そんな一人だった。

スケジュール表を握りしめ、声が少し震えている。

「周りはもう動いていて……自分だけ遅れている気がします」

 職員はすぐに答えを出さなかった。

代わりに、学生がこれまで話してくれた内容を、ゆっくり整理していく。

興味を持ったきっかけ、楽しかった授業、違和感を覚えた経験。

 「今は、早さよりも“気づくこと”の方が大事かもしれないね」

そう伝えると、学生の表情が少し和らいだ。

 焦りを止める言葉は、魔法じゃない。

でも、立ち止まって考える時間を許すことはできる。

 インターンは競争じゃない。

そう何度でも伝えながら、今日も学生を送り出す。


#キャリアセンター
#就活支援
#インターン相談 

2025年12月29日月曜日

インターン実感「“評価されない時間”が心を軽くした」


 最初のインターンでは、常に誰かに見られている気がしていた。

正解を言えているか、評価を下げていないか。発言するたびに、胸の奥がざわついた。

 けれど、この会社のインターンは少し違った。

社員は、こちらの答えにすぐに反応しない。

「なるほど」「そう考えたんだね」と一度受け止めてから、別の視点をそっと添えてくる。

 ある日、思い切って聞いてみた。

「これって、評価に関係ありますか?」

社員は少し驚いた顔をして、笑った。

「今日は評価しないよ。考える時間だから」

 その言葉で、肩の力が抜けた。

評価されない時間が、こんなにも心を軽くするなんて思わなかった。

 帰り道、ノートを見返しながら気づいた。

今日一番多かったのは、“うまく言えなかったこと”や“迷った跡”だった。

でも、それがそのまま残っているのが、少し誇らしかった。

 インターンは、できる自分を見せる場じゃない。

考え途中の自分を、そのまま置いていい場所なんだ。

そう思えた日だった。


#インターン体験
#学生の気づき
#自己理解 

2025年12月28日日曜日

就活物語「強みは明確、不安も明確だった学生」

――評価が割れた、その境目――


 その学生の強みは、最初からはっきりしていた。

論理的で、説明も簡潔。質問に対しても要点を外さず、理解力の高さは誰もが認めていた。

「頭の回転が速い」「即戦力になりそうだ」

評価シートには、そんな言葉が並んでいた。

 一方で、別の意見も出ていた。

「言葉は正しいけれど、感情が見えにくい」

「一緒に悩んだり、壁にぶつかったときの姿が想像しづらい」

 面接中、彼は終始落ち着いていた。

失敗談も、成功談も、きれいに整理されている。

だがその分、どこか“完成しすぎている”印象が残った。

 議論の焦点は、「成長の余白が見えるかどうか」だった。

能力は申し分ない。

ただ、現場では正解のない課題や、人との摩擦に向き合う場面も多い。

そのとき、彼はどう動くのだろうか――そこが最後まで見えなかった。

 最終的に、合否を分けたのは、別の学生が見せた“不器用さ”だった。

未整理でも、自分の弱さを言葉にしようとする姿勢。

そこに、育てていける可能性を感じたという意見が、わずかに上回った。

 結果は不採用。

だが、「能力だけなら文句はない」という言葉が、全員の共通認識だった。

 面接では、強みがはっきりしていることが必ずしも有利とは限らない。

ときに、不安や未完成さが、“伸びしろ”として評価されることもある。

その微妙な境目に、私たちは確かに迷っていた。


#面接官の視点
#評価が割れた理由
#伸びしろ 

2025年12月27日土曜日

就活物語「決め手が、最後まで見えなかった学生」

――合否が割れた、その理由――


 その学生の評価は、面接が終わった直後から割れていた。

受け答えは論理的で、質問の意図も正確に捉えている。準備不足は感じられず、むしろ優秀だという意見も多かった。

一方で、「無難すぎる」「安全な答えに終始している」という声もあがった。

 私はメモを見返しながら考えた。

彼は失敗の話も、学びの話も、きちんと整理して話していた。だが、その言葉のどこにも“揺れ”がなかった。

良く言えば安定感、悪く言えば踏み込まなさ。

 最終的に議論になったのは、能力ではなく「一緒に働く姿が想像できるか」だった。

同じレベルの評価が並ぶ中で、別の学生が見せた“未完成でも前に出ようとする姿勢”が、わずかに上回った。

 結論は不採用。

だが、誰も彼を否定してはいなかった。

「別の環境なら、結果は違ったかもしれない」

そう全員が口にした。

 面接の結果は、時に残酷だ。

けれど、迷われたという事実は、確かに評価されていた証でもある。


#面接官の視点
#合否が割れた理由
#わずかな差 

2025年12月26日金曜日

学生の変化「インターン後、景色が少し変わった」


 インターンを終えて、大学に戻った。

授業の内容も、友人との会話も、同じはずなのに、

どこか見え方が変わっていた。

 働くことが、少し現実的になった。

不安は消えていない。

でも、知らなかった頃の不安とは違う。

 「知らない不安」から「考えられる不安」へ。

それだけで、前に進める気がした。

 インターンは、答えをくれる場所ではない。

問いを持ち帰る場所なのだと、今は思う。


#学生の成長
#インターン後
#視野が広がる 

2025年12月25日木曜日

現場の学び「学生の質問が仕事を止めるとき」


 忙しい現場で、学生に声をかけられた。

「この作業、どうしてこの順番なんですか?」

 一瞬、手が止まる。

考えたこともなかった問いだった。

 説明しながら、自分の中の“当たり前”を見直す。

無駄な工程や、改善できそうな点にも気づいた。

 学生の質問は、現場を止める。

でもそれは、後退ではなく前進のための立ち止まりだ。


#現場の学び
#インターン効果
#仕事の本質 

2025年12月24日水曜日

人事の本音「インターンで“期待しない”理由」


 インターン生に、即戦力を期待することはない。

それよりも大切なのは、吸収しようとする姿勢だ。

 ある学生は、初日は何もできなかった。

でも毎日、小さなメモを取り、質問を重ねていた。

 最終日、彼は言った。

「全部は理解できなかったけど、働くイメージが持てました。」

 それで十分だと思った。

インターンは、完成度を見る場ではない。

成長の芽を見つける場なのだから。


#企業人事
#インターン評価
#成長の芽 

2025年12月23日火曜日

キャリア支援の裏側「送り出す前にできること」


 インターン前の面談では、学生の不安が表情に表れる。

「何を見られるんですか」「評価されますか」

そんな質問が多い。

 私はいつも伝える。

「見るのは企業。でも、感じるのはあなた自身。」

 目的は内定ではなく、経験。

合う・合わないを含めて、自分の材料を集めてきてほしい。

 送り出す側としてできるのは、

不安を消すことではなく、不安と向き合う準備を整えること。

 インターンを終えた学生が、

少しだけ大人びた表情で戻ってくる瞬間に、

この仕事の意味を感じている。


#キャリア支援
#大学職員の視点
#インターン準備 

2025年12月22日月曜日

インターン実感「“正解を出す”より大切なこと」


 インターンのワークで、私はずっと「正しい答え」を探していた。

間違えたくない。評価を下げたくない。そんな思いが先に立ち、発言する手が止まっていた。

 そんな中、社員の一人が言った。

「今日は正解を出す場じゃないよ。考え方を知る場だから。」

 その言葉で、肩の力が抜けた。

完璧でなくてもいい。途中の思考を共有していい。

そう思えた瞬間、自然と口が開いた。

 意見は洗練されていなかったけれど、

「なるほど、そこに気づいたんだね」と返してもらえた。

 仕事では、正解が一つとは限らない。

考え続ける姿勢そのものが価値になる。

そのことを、初めて体感した一日だった。


#学生の気づき
#インターン体験
#考える力 

2025年12月21日日曜日

就活物語「別れ際に印象を変えた学生」

――最後の一言、最後の笑顔が忘れられなかった――


 面接というと、どうしても質疑応答の出来ばえに目が向きがちだ。

だが実際には、評価が大きく動く瞬間は、面接が終わった「その後」に訪れることもある。

 その学生も、面接中はごく平均的な印象だった。

受け答えは丁寧で、準備不足というわけでもない。

ただ、決定打と呼べるほどの強い印象は残っていなかった。

 面接終了を告げ、形式的なやり取りが終わる。

学生が立ち上がり、出口へ向かう――そのときだった。

 彼はドアの前で一度立ち止まり、こちらを振り返った。

「本日は貴重なお時間をいただき、ありがとうございました。

とても緊張しましたが、お話できてうれしかったです。」

 そう言って、柔らかく笑った。

作った言葉ではない。

面接官一人ひとりに向けた、素直な気持ちがそのまま表れていた。

 ドアが閉まったあと、部屋に静けさが戻る。

誰かがぽつりと口にした。

「最後、すごく感じがよかったね。」

 面接は、始まりよりも終わりの方が、人柄がにじみ出る。

別れ際の一言、最後の表情――

それは、評価表には書けないが、確かに心に残る要素だ。

 ――彼の笑顔は、面接の記憶を、静かに塗り替えていた。


#面接官の視点
#最後の印象
#人柄 

2025年12月20日土曜日

就活物語「人柄で場を明るくした学生」

――面接官の緊張をほぐすような温かさ――


 面接という場は、学生だけでなく、実は面接官にも独特の緊張がある。

限られた時間で人となりを見極める責任――それは思いのほか重い。

 その日の学生は、入室した瞬間から少し違っていた。

丁寧に一礼し、椅子に座る前に「失礼します」と柔らかく声を添える。

その一言だけで、空気がほんの少し和らいだのを感じた。

 受け答えは決して派手ではない。

だが、こちらの質問に対して、相手の意図を汲み取ろうとする姿勢が随所に見えた。

面接官が言葉を探していると、急かすことなく、穏やかな表情で待っている。

 ある質問で、私が言い回しを言い直したとき、

彼はふっと微笑み、「あ、なるほど。そういうことですね」と自然に応じた。

その瞬間、面接官側の緊張まで解けた気がした。

 面接後、同席していた同僚が言った。

「なんだか、こちらまで落ち着いて話せたね。」

 人柄とは、特別なエピソードで語られるものではない。

相手を思いやる視線、間の取り方、空気への気配り――

そうした積み重ねが、場を明るくする力になる。

 ――彼の温かさは、言葉より先に、空気を変えていた。


#面接官の視点
#人柄の良さ
#安心感 

2025年12月19日金曜日

学生の実感「インターンは“就活前”じゃなかった」


 インターンに参加する前、私はそれを“就活の準備運動”だと思っていた。

でも実際は、それ以上だった。

 働く人の考え方、価値観、悩み。

教科書には載っていない現実を、肌で感じた。

 「就活のため」という枠を外してみると、

インターンは“人生の選択肢を増やす時間”なのだと気づいた。

 会社を見るだけでなく、自分を見る時間。

それが、インターンの本当の価値なのかもしれない。

 この経験は、きっと就活が終わっても残り続ける。

そんな確かな手応えを感じている。


#学生の視点
#インターンの価値
#未来へのヒント 

2025年12月18日木曜日

現場の本音「学生に説明することで、仕事が磨かれる」


 インターン生に仕事を説明するとき、

「なぜこの手順なのか」「何を大切にしているのか」を改めて言葉にする。

 普段は感覚でやっている仕事も、説明しようとすると曖昧さに気づく。

学生の「どうしてですか?」という一言が、

自分の仕事を見直すきっかけになる。

 気づけば、説明の仕方を改善し、資料も整理していた。

それは現場全体にとっても良い変化だった。

 インターンは学生のためだけのものではない。

現場を成長させる“鏡”でもあるのだと実感した。


#現場の声
#仕事の改善
#インターン効果 

2025年12月17日水曜日

人事の視点「インターンは“選別”ではなく“対話”」


 インターンを“選考の一部”だと誤解している学生は少なくない。

しかし、私たちが大切にしているのは合否ではなく対話だ。

 ある学生は、「評価されていると思うと緊張します」と正直に打ち明けてくれた。

私はこう答えた。

「今日は評価の日じゃない。お互いを知る日だよ。」

 その後、彼は少しずつ自然な表情を見せてくれた。

質問も増え、最後には「参加してよかったです」と笑顔で帰っていった。

 インターンは、企業と学生が対等に向き合う時間。

その関係性が、良いマッチングにつながると信じている。


#企業人事
#インターンの本質
#対話 

2025年12月16日火曜日

キャリア職員の実感「“合わなかった”も大切な成果」


 インターンを終えた学生の中には、晴れやかな表情の人もいれば、少し沈んだ顔で戻ってくる人もいる。

ある学生は言った。

「正直、思っていた仕事と違いました。」

 私はその言葉を、失敗だとは思わない。

むしろ、自分に合わない環境を“体感”できたことは、大きな成果だ。

 「早い段階で気づけてよかったですね。」

そう伝えると、学生は少し驚いた顔をして、やがて安心したようにうなずいた。

 就活は、正解を当てる作業ではない。

試しながら、自分の輪郭をはっきりさせていくプロセスだ。

 インターンは、そのための貴重な材料。

合わなかった経験も、確実に次につながっている。


#キャリアセンター
#就活の気づき
#合わない経験 

2025年12月15日月曜日

インターン体験「“できない自分”を受け入れられた日」


 インターンの途中、思うように成果を出せず落ち込んだ日があった。

グループワークでは意見が浮かばず、発表も他の学生に任せきり。

帰り道、「やっぱり自分は向いていないのかもしれない」と何度も考えた。

 翌日、社員の方に声をかけられた。

「昨日、悩んでたよね。でもね、分からないって顔をしてたのが良かった。」

思いがけない言葉だった。

 「仕事は、最初からできる人より、考え続ける人のほうが伸びるよ。」

 その一言で、胸の重さが少し軽くなった。

できない自分を否定するのではなく、受け入れて前に進む。

それも“働く力”の一つなのだと知った。

 インターンは、評価される場ではなく、

自分を知り、育てる場なのだと思えた一日だった。


#インターン体験
#学生の成長
#自己受容 

2025年12月14日日曜日

就活物語「逆質問で見せた成長意識」

――“働く自分”を具体的に想像していた学生――


 面接の終盤、「最後に何か質問はありますか?」この一言で、空気が変わることがある。

 多くの学生は、事前に用意した質問を丁寧に口にする。

仕事内容、研修制度、社風――

どれも悪くはないが、どこか“聞いておくべき項目”の域を出ないことも多い。

 その日の学生も、少し考えるように間を置いた。そして、こう切り出した。

 「もし入社できた場合、1年目の終わりに“この人は任せられるな”と思われる人は、どんな行動をしている方でしょうか。」

 思わず、ペンを持つ手が止まった。これは情報収集の質問ではない。“働く自分”を、すでに会社の中に置いて考えている問いだった。

 さらに彼は続けた。「そのレベルに近づくために、学生のうちに意識しておくとよいことがあれば教えてください。」

 評価されたい、内定がほしい――

そうした焦りではなく、「どう成長したいか」「どう役に立ちたいか」が前に出ている。

 面接官としてではなく、未来の同僚を想像して答えている自分に気づいた。

 面接後、同席していた上司が言った。「もう“働く側の視点”で考えてるよね。」

 逆質問は、単なる質問時間ではない。その人が、どこまで先を見ているかが、はっきり表れる瞬間だ。

 ――彼の問いには、“入社後の成長曲線”が、すでに描かれていた。


#面接官の視点
#逆質問
#成長意欲 

2025年12月13日土曜日

就活物語「アルバイト経験を語る学生」

――“バイト”を単なる経験で終わらせていなかった――


 アルバイト経験を語る学生は多い。仕事内容、担当していた業務、忙しかった時の工夫――

どれも悪くはないが、それだけだとどうしても“経験の列挙”で終わってしまう。

 しかし、その日の学生は違った。

 「アルバイトで学んだことは?」と尋ねると、彼は少し考え、静かに話し始めた。

 「レジの仕事や接客より、“周りの人が働きやすい状態をつくること”が大切だと気づきました。」

 そう言って、彼は一冊の小さなノートを取り出した。そこには、アルバイト中に気づいた改善点や、スタッフ同士の連携を書き留めたメモが並んでいた。

 「新人さんが困っている場面を見て、マニュアルの順番が分かりにくいと感じたんです。そこで自分なりに項目を見直して、作業の流れ順に並べ替えました。」

 その取り組みがきっかけで、店舗全体の新人研修がスムーズになったという。店長から正式に採用され、今では各シフトリーダーがその資料を活用しているらしい。

 単なる“アルバイト経験”ではなく、「どうすれば良くなるか」を自分で考え、行動し、改善につなげたこと。そこに確かな主体性と仕事観があった。

 面接が終わったあと、同席していた課長は言った。

「いいね。アルバイトでも、ここまで本気で向き合った経験があるなら、伸びるよ。」

 経験そのものより、“どう向き合ったか”がその人の価値を決める。

彼のアルバイト経験は、立派な“仕事の物語”になっていた。


#面接官の視点
#アルバイト経験
#主体性 

2025年12月12日金曜日

保護者の安心「やっと進路の話をしてくれた夜」


 大学生の息子は、家ではあまり就活の話をしなかった。「まあ、そのうち考えるよ」と笑ってごまかすだけ。親としては心配だったが、必要以上に口を出すのも違う気がして、様子を見守るしかなかった。

 ところがある夜、夕食後に「今日、インターンに行ってきた」と自分から話し始めた。仕事内容や社員の雰囲気、学んだこと──普段より少し興奮気味に語る息子を見て、「ああ、ちゃんと前に進んでいるんだ」とほっと胸をなでおろした。

 どんな情報よりも、子どもの表情がいちばんの安心材料になる。

 インターンは学生にとって成長の場であり、保護者にとっては“わが子の未来が動き始めた実感”を与えてくれるものなのだと知った。


#保護者の視点
#子どもの成長
#進路の会話 

2025年12月11日木曜日

現場のリアル「学生のひと言が職場の空気を変える」


 普段は淡々と仕事が進む現場に、インターン生がやってきた。最初は緊張で固まっていたが、設備説明の途中で「この工程、面白いですね」と目を輝かせた。たった一言だったが、周囲の社員がふっと笑顔になり、空気がやわらいだ。

 学生は素直な感性で現場を見る。私たちが“当たり前”と思っている仕事に、新鮮な言葉をくれる。それが思っている以上に現場の励みになる。

 見学が終わる頃、学生は「もっと知りたいです」とメモを見返しながら話した。その姿勢に、こちらの背筋が伸びる思いがした。

 インターンは学生が学ぶ場所であると同時に──

 現場が初心を思い出すきっかけにもなる。

 そのことを、あの日の一言が教えてくれた。


#現場の声
#初心を思い出す
#インターン効果 

2025年12月10日水曜日

人事の気づき「“主体性”は小さな行動に宿る」


 インターン生の中に、一人よく周囲を見て動く学生がいた。特別目立つ発言をするわけではないが、メモを取りながら社員の動きを観察し、必要な場面ではサッと手伝いに回る。誰かに指示されたわけではない。「あ、今ここ困っているかも」という気づきに基づいた行動だった。

 私たち人事は表面的な積極性や大きな成果だけを見ているわけではない。主体性は、言葉ではなく“行動”に出る。休憩時間に話しかけてみると、彼は「自分なりにできることを探しただけです」と照れくさそうに笑った。

 そんな謙虚な姿勢に、現場社員も好印象を持っていた。

 インターンは選考の場ではないけれど、こうした“働く姿勢”は確かに企業の目に留まる──あらためてそう実感した一日だった。


#企業人事
#主体性
#インターン評価ポイント 

2025年12月9日火曜日

キャリアの現場「一歩踏み出す学生の変化」


 インターン前の相談で「自信がなくて…」と言っていた学生がいた。話す声は小さく、目線は机の上。だが、行動しようとする意思だけは強く感じられた。「まずは見学だけでもいい。わからないことはわからないと言って大丈夫ですよ」そう伝えると、彼は小さくうなずいた。

 数日後、インターンから戻ってきた彼の表情は、驚くほど明るかった。「緊張しました。でも、質問したら優しく教えてくれて…」と身振り手振りを交えて話してくれる。ほんの1日の経験なのに、まるで別人のようだった。

 学生は、たった一つの成功体験でこんなにも変わる。その瞬間に立ち会えるのが、この仕事の一番のしあわせだと改めて感じた。

 「次は企業をもう一社見てみたいです」──その言葉を聞いた時、胸の奥がふわりとあたたかくなった。


#キャリアセンター
#学生支援
#成長の瞬間 

2025年12月8日月曜日

インターン体験「“質問する勇気”が世界をひらいた」


 企業説明がひと通り終わったあと、担当者が「何か質問はありますか?」と会議室を見渡した。重たい沈黙が流れる。私も聞きたいことはあったが、「こんなこと聞いていいのかな」と迷っていた。そのとき、隣の学生がすっと手を上げた。「先ほどの業務フローで、この工程はどんな工夫をされているんですか?」──ありふれた質問に見えたが、その一言で空気が変わった。

 担当者の表情がやわらぎ、現場のエピソードを交えながら説明が始まる。他の学生も次々に手を挙げ、会議室に温かい対話が生まれていった。私はようやく勇気を出して、気になっていたことを聞いた。すると担当者は「いい質問ですね」と言い、丁寧に答えてくれた。

 質問しただけで何が変わるわけでもない。だけど──自分の世界が一段広がった気がした。

 「質問する勇気」は、ただの行動ではなく、未来をひらく小さな第一歩なのだと知った。


#インターンシップ
#質問する勇気
#学生の成長 

2025年12月7日日曜日

就活物語「聞く姿勢が圧倒的にいい学生」

――話の受け止め方・うなずきの誠実さ――


 面接では「どれだけ話せるか」に目が向きがちだ。

だが、長く面接官をしていると、

“話す力”よりも“聞く力”にその人の本質が表れることがある。

 その学生も、最初は特別目立つタイプではなかった。

自己紹介も短く、語り口も穏やかで控えめ。

だがこちらが質問を投げかけた瞬間、印象が変わった。

 彼は、言葉を遮らず、真っすぐこちらの目を見て聞いていた。

うなずきのタイミングが自然で、相手の言葉を大事に扱っているのが伝わってくる。

 「この職種で大切だと思うことは?」

そう尋ねると、少し考えてから、

「まず“理解する姿勢”だと思います。

自分の意見を言う前に、相手の言葉を受け止めたいです。」

 その答えは、正解を探したものではなく、

彼の日常の価値観から出てきた“自分の言葉”だった。

 さらに、逆質問の時間になると、

彼は一つひとつの返答に丁寧にうなずきながら、

「それはどういう背景があるんですか?」

「そのときのチームの雰囲気はどうでしたか?」

と、本質に近づく質問を重ねた。

 面接が終わったあと、同席していた部長が言った。

「聞く姿勢があれだけいいと、一緒に働きやすいね。」

 聞くことは、話すよりも難しい。

意見を急がず、相手の言葉を受け止めてから返す姿勢は、

組織に入ってから大きな力になる。

 ――誠実な“聞く力”は、その人の人柄を映す鏡だ。

彼のうなずきには、その鏡に映る温かさがあった。


#面接官の視点
#聞く力
#誠実な姿勢 

2025年12月6日土曜日

就活物語「静かな情熱を持つ子」

――派手さはないが、言葉の端々に熱意が滲む――


 面接室に入ってきた瞬間、彼は特別目立つわけではなかった。

声は小さめ、動作も控えめ。

“おとなしいタイプかな”というのが第一印象だった。

 だが、話し始めると、その印象は少しずつ変わっていった。

 「大学ではロボット研究会に所属していました。

ただ、技術はまだ追いついていません。でも――」

 彼は一度言葉を切り、まっすぐこちらを見た。

 「完成させる瞬間より、できるようになるまでの過程がすごく好きなんです。」

 その一言に、静かな熱が宿っていた。

声は大きくないのに、言葉に芯がある。

自分の好きなことを、飾らず、自然体で語る姿に、私は思わず身を乗り出した。

 さらに、彼はロボットの設計ミスで徹夜したエピソードも語った。

苦労話を自慢げに語るのではなく、

「うまくいかない時間も悪くなかったです」

と、少し笑いながら話すその姿が印象的だった。

 派手な表現も、大きなアピールもない。

それでも、言葉の端々に滲む“ものづくりへの愛情”がしっかりと伝わってきた。

 面接が終わったあと、同席していた女性主任が言った。

「静かなんだけど、すごくいい子ね。ああいう子は伸びるよ。」

 情熱とは、声の大きさでは測れない。

目立たなくても、心の奥で燃やし続けている熱がある。

その熱は、確かな成長につながる――そう確信した面接だった。


#面接官の視点
#静かな情熱
#成長する人 

2025年12月5日金曜日

学生の気づき「“働く姿”を見て、未来が動き出した」


 インターンで社員さんの一日を影から見学する時間があった。

電話対応し、メールを打ち、打ち合わせに参加し、また次の案件の準備をする――

その流れは思った以上に忙しく、そして丁寧だった。

 途中で社員さんが言った。

「慣れれば大変さより楽しさが勝つよ。」

 その言葉に、胸の奥が熱くなった。

“働く”ことは想像以上にエネルギーを使うけれど、

それ以上に人の役に立つ喜びがあるのだと感じた。

 帰り道、自然と背筋が伸びた。

――私もこんなふうに働きたい。

未来が少しだけ動き出した気がした。


#学生の視点
#働く姿
#未来への一歩 

2025年12月4日木曜日

現場担当の実感「学生の“素朴な質問”が、仕事の核心をつく」


 現場でインターンを案内していると、学生の素朴な質問にドキッとさせられることがある。

 「どうしてこの工程は省略しないんですか?」

「この作業って、毎日同じなんですか?」

 当たり前に感じていた業務に対して、学生は純粋に疑問を向ける。

それに答えるために言葉を探していると、自分自身が“仕事の意味”を再確認していることに気づく。

 学生に説明することは、実は自分の仕事を鏡に映すような行為だ。

インターンは学生のためのものだと思っていたけれど、

――実は現場にとっても学びの機会なんだと痛感した。


#企業現場の声
#素朴な質問
#仕事の意味 

2025年12月3日水曜日

人事担当者の気づき「“説明の仕方”で学生は変わる」


 インターンで学生と接していると、会社説明の伝え方一つで、学生の理解や表情が大きく変わることに気づく。

 ある年、専門用語を多用してしまい、学生の表情が固まっていくのが分かった。

そこで、例え話や実際の体験談に切り替えると、学生が一斉にメモを取り始めた。

 「分かりやすかったです!」

終了後にそう言われたとき、胸が温かくなった。

 学生に伝わることは、同時に“企業側の姿勢”でもある。

インターンは、学生だけでなく企業にとっても「良い説明とは何か」を学ぶ場だと実感した。


#企業人事
#伝わる説明
#インターンの改善 

2025年12月2日火曜日

大学キャリアの本音「学生の“挑戦前夜”がいちばん尊い」


 インターン前日になると、キャリアセンターには不安げな学生がやってくる。

「失敗したらどうしよう…」

「場違いだったら…」

そんな言葉を聞くたびに、私は心の中で頷く。

 挑戦の前夜、誰だって不安になる。

でも、その不安こそが成長の入口だと知っているから、私はこう伝える。

「大丈夫。完璧じゃなくていい。まず一歩を踏み出しておいで。」

 翌日、帰ってきた学生は決まって言う。

「緊張したけど、行ってよかったです。」

 その瞬間、私は毎回胸がいっぱいになる。

 インターンは学生の未来をつくる。

そしてその前夜は、私たち支援者にとっても、特別な時間なのだ。


#大学キャリアセンター
#挑戦前夜
#学生サポート 

2025年12月1日月曜日

インターン体験「“働く覚悟”が芽生えた瞬間」


 インターン最終日、私は担当の社員さんに質問を使用としたが、勇気が出ずにモジモジしていた。

すると、その方が気づいて「最後に聞きたいこと、何でもいいよ」と優しく声をかけてくれた。

 思い切って聞いた。

「この仕事、大変なことの方が多いですか?」

社員さんは少し驚いた顔をしてから、静かに笑った。

 「うん、大変。正直に言えば、辞めたい日もあるよ。でもね、誰かに役に立てた瞬間って、全部吹き飛ぶんだ。」

 その言葉が胸に刺さった。

“仕事って、かっこよさだけじゃないんだ”

そう思えたと同時に、胸の奥に小さな火が灯った。

 帰り道、歩きながら何度も思い返した。

――私も、そんなふうに働ける大人になりたい。

 インターンは「働くこと」を夢から現実へと変える一歩だった。


#インターン体験
#学生の成長
#働く覚悟 

インターン後の辞退連絡は、失敗ではない

 インターン後、辞退の連絡が入ることがある。 正直に言えば、少し残念だ。  けれど同時に、「ちゃんと考えた結果だな」と感じることも多い。  理由を丁寧に伝えてくれる学生は、インターン中も真剣だった。  インターンは、必ず採用につながる場ではない。 お互いを知るための時間だ。  だ...