――“働く自分”を具体的に想像していた学生――
面接の終盤、「最後に何か質問はありますか?」この一言で、空気が変わることがある。
多くの学生は、事前に用意した質問を丁寧に口にする。
仕事内容、研修制度、社風――
どれも悪くはないが、どこか“聞いておくべき項目”の域を出ないことも多い。
その日の学生も、少し考えるように間を置いた。そして、こう切り出した。
「もし入社できた場合、1年目の終わりに“この人は任せられるな”と思われる人は、どんな行動をしている方でしょうか。」
思わず、ペンを持つ手が止まった。これは情報収集の質問ではない。“働く自分”を、すでに会社の中に置いて考えている問いだった。
さらに彼は続けた。「そのレベルに近づくために、学生のうちに意識しておくとよいことがあれば教えてください。」
評価されたい、内定がほしい――
そうした焦りではなく、「どう成長したいか」「どう役に立ちたいか」が前に出ている。
面接官としてではなく、未来の同僚を想像して答えている自分に気づいた。
面接後、同席していた上司が言った。「もう“働く側の視点”で考えてるよね。」
逆質問は、単なる質問時間ではない。その人が、どこまで先を見ているかが、はっきり表れる瞬間だ。
――彼の問いには、“入社後の成長曲線”が、すでに描かれていた。
#面接官の視点
#逆質問
#成長意欲

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