就活を終えた健太は、ふと春に不採用になった会社のことを思い出します。あの時は悔しくて仕方なかった結果も、今振り返ると、違った意味を持って見えてきました。
あの不採用があったから出会えた会社
月曜日。
駅前を歩いていた健太は、見覚えのある会社名を目にして足を止めた。
春に応募した会社だった。
説明会に参加し、エントリーシートを何度も書き直した。面接にも進んだ。
そして届いたのは、不採用のメールだった。
あの日はかなり落ち込んだ。
「自分の何がいけなかったんだろう」
何度も考えた。
けれど今、会社の看板を眺めても、あの頃のような悔しさはなかった。
もし、あの会社から内定をもらっていたら。
そこで就活を終えていたかもしれない。
そうしたら、今の内定先を知ることもなかっただろう。
もちろん、不採用になってよかったと単純に言えるわけではない。
悔しかった気持ちも、落ち込んだ時間も本物だった。
ただ、あの結果があったから、自分は会社選びについて考え直した。
名前や規模だけで会社を見るのをやめた。
働く人を見て、仕事内容を調べ、自分が何を大切にしたいのかを考えるようになった。
就活中には「失敗」にしか見えなかった出来事が、時間が経つと違って見えることがある。
健太はもう一度、会社の看板を見た。
そして、小さく頭を下げるようにして歩き出した。
あの日の不採用も、自分がここまで来るために歩いた道の一部だった。
まとめの一言
その時は失敗に見えた出来事も、未来から振り返ると、次の道へ進む分岐点だったと気づくことがあります。
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