「内定が欲しい」から始まった就活。しかし、企業と自分に向き合ってきた奈緒は、最終面接で初めて心から「ここで働きたい」と伝えることができました。
内定が欲しいから働きたいへ
水曜日。
奈緒は最終面接の席に座っていた。
目の前には、社長と人事担当者。
緊張で手のひらに汗を感じる。
いくつかの質問が終わった後、社長が尋ねた。
「最後に、何か伝えておきたいことはありますか。」
奈緒は一瞬考えた。
春の頃なら、「御社が第一志望です」と答えていたかもしれない。
内定が欲しくて、企業に気に入られる答えを探していたからだ。
でも今は違った。
説明会で出会った社員。
質問に丁寧に答えてくれた若手社員。
廊下ですれ違った人たちの自然なあいさつ。
会社について調べる中で知った仕事への考え方。
その一つひとつを思い出した。
奈緒は面接官を見て言った。
「皆さんと一緒に働きながら、私も成長していきたいと思っています。」
少し声は震えていた。
それでも、自分の本当の気持ちだった。
就活では、選ばれることばかりを考えてしまいやすい。
しかし企業を知り、自分の価値観と照らし合わせることで、「自分も会社を選んでいる」という感覚が生まれてくる。
面接室を出た奈緒は、大きく息を吐いた。
結果は分からない。
それでも今日は、内定をもらうためではなく、自分が働きたい場所へ自分の思いを届けることができた。
それだけで十分だった。
まとめの一言
「受かりたい会社」が「働きたい会社」に変わった時、就活は自分自身の選択になります。
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