就活を終えた翌日、健太のもとに届いた「内定式のご案内」。それまで画面の向こう側にあった会社が、少しずつ自分が働く場所へと変わり始めます。
「就活生」ではなく「内定者」として
木曜日。
大学から帰った健太がメールを確認すると、内定先の会社から新しい連絡が届いていた。
件名には「内定式のご案内」とある。
開催日は10月1日。
時間や会場、当日の服装などが記載されていた。
何度か面接で訪れた会社なのに、その案内はこれまでとは違って見えた。
面接の時は、自分を選んでもらうために会社へ行った。
でも次に訪れる時は、「内定者」として行く。
その言葉が、まだ少しくすぐったかった。
案内には、内定者同士の顔合わせも予定されていると書かれていた。
健太は画面を見ながら想像した。
同じ会社を選んだ人たちは、どんな学生なのだろう。
どんな大学から来るのだろう。
どんなことを勉強してきたのだろう。
考えているうちに、楽しみよりも緊張の方が少し大きくなった。
就活が終われば、不安も全部なくなると思っていた。
けれど、一つの不安がなくなると、その先には新しい不安が待っている。
それは、前へ進んでいるからこそ生まれる不安なのかもしれない。
健太は予定表の10月1日に印を付けた。
そこに書いたのは、もう「面接」ではない。
「内定式」。
その三文字を見て、社会人になる未来がほんの少し近づいた気がした。
まとめの一言
新しい不安が生まれるのは、次のステージへ進み始めた証拠なのかもしれません。
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