友人の内定報告を見るたびに、自分だけが遅れているように感じてしまう。そんな学生が、他人との比較を少しだけ手放した一日の物語です。
比べる相手を変えてみた
昼休み、奈緒はスマートフォンを見ながら小さくため息をついた。
SNSには、友人たちの内定報告が並んでいる。
「第一志望から内定をいただきました」
「就活を終えました」
祝福したい気持ちはある。
それでも画面を見るたびに、自分だけが取り残されているように感じた。
奈緒には、まだ内定がなかった。
選考途中の企業はあるが、結果が出る保証はない。
焦る気持ちから、また友人の投稿を開こうとした時、奈緒はスマートフォンを伏せた。
そして、就活を始めた頃のノートを取り出した。
そこには、面接で何も答えられず落ち込んだ日の記録があった。
今なら、志望動機を自分の言葉で話せる。
企業へ質問することもできる。
不採用になっても、次の応募先を探せるようになった。
内定という結果はまだない。
しかし、三か月前の自分より確かに前へ進んでいた。
奈緒はノートの最後に書いた。
「誰かより早くなくていい。昨日の自分より一歩進めたら、それでいい」
翌朝、友人の投稿を見ても、以前ほど胸は苦しくならなかった。
自分には、自分の時間が流れている。
そう思えるようになったからだ。
解説
就活中に他人と比べてしまうのは自然なことです。しかし、企業も状況も一人ひとり異なります。他人の結果ではなく、自分ができるようになったことへ目を向けると、小さな成長が見えてきます。
まとめの一言
誰かの速さではなく、自分の歩幅で進めばいい。
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