「電話が鳴ったら取ってみようか」
先輩の一言に、心臓が大きく跳ねた。
まだ何も分かっていない。
社内の人も覚えきれていない。
そんな自分が電話に出ていいのだろうか。
けれど電話は待ってくれない。
机の上で着信音が鳴る。
一瞬ためらう。
そして、意を決して受話器を取った。
「お、お電話ありがとうございます」
言葉が少しだけ固くなる。
相手の名前を聞き返してしまう。
担当者へ取り次ぐだけなのに、手のひらには汗がにじんでいた。
電話を終えたあと、大きく息を吐く。
失敗したかもしれない。
でも、逃げなかった。
そのことだけは確かだった。
すると先輩が笑いながら言った。
「最初はみんなそんなものだよ」
その一言に、少しだけ肩の力が抜けた。
できることは、少しずつ増えていけばいい。
今日の電話一本は、社会人としての小さな一歩だった。
#電話応対
#社会人一年目
#仕事の第一歩

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