【第18話】「書き終えたあと」がスタートだった
提出ボタンを押した瞬間、どっと肩の力が抜けた。
「やっと終わった……!」
そう思ったのも束の間、すぐにスマホに通知が届いた。
「書類選考を通過された方には、今後のご連絡をいたします」
なんだか、ゴールだと思っていたものが、じつはスタートだったような気がしてきた。美月は、送信済みフォルダを見返した。自分なりに悩み抜いて書いたエントリーシートが、そこにある。
少し誇らしい気持ちと、これからの不安。でも、「ここからまた始まる」と思えば、次の一歩に足が向いた。
履歴書を書き終えたことで、自分自身の輪郭が少し見えた気がした。
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