【第19話】志望企業の“名前”を間違えた日
「御社の〇〇という理念に共感し……」
提出直後、画面を見返して、亮太は青ざめた。
志望企業の名前が、前に応募した別の会社名のままになっていたのだ。急いで書いて、下書きからコピーしたまま気づかなかった。
「これは、完全にアウトだ……」
頭を抱える亮太の脳裏に、「志望度が低いと思われる」「確認すらしていないと思われる」といった言葉が渦巻いた。
でも、ただ後悔して終わるのは嫌だった。彼はすぐにメールを開き、丁寧にお詫びと訂正の連絡を送った。
失敗は恥ずかしい。けれど、自分の対応は、自分で決められる。返信はまだ来ない。でも少しだけ、亮太は前を向けた気がした。
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