【第46話】「沈黙の勇気」
「じゃあ、次はアイデア出しに入ろうか」リーダーの真紀が言うと、場に静寂が落ちた。誰もが何か言わなきゃと思っているのに、言葉が出てこない。
そんな中、黙っていた遥が、意を決したようにノートを開いた。「あの……こんな案、どうですか?」その声は小さかったが、明確だった。視線が一斉に彼女に集まり、空気が動く。
「それ、面白い!」と誰かが言い、他のメンバーも次々に意見を乗せていく。沈黙を破った一言が、アイデアの連鎖を生んだ瞬間だった。
グループワークにおいて、大きな声や派手な発言だけが価値ではない。静けさの中にある“思い切り”もまた、チームを動かす力になる。