2025年12月25日木曜日

現場の学び「学生の質問が仕事を止めるとき」


 忙しい現場で、学生に声をかけられた。

「この作業、どうしてこの順番なんですか?」

 一瞬、手が止まる。

考えたこともなかった問いだった。

 説明しながら、自分の中の“当たり前”を見直す。

無駄な工程や、改善できそうな点にも気づいた。

 学生の質問は、現場を止める。

でもそれは、後退ではなく前進のための立ち止まりだ。


#現場の学び
#インターン効果
#仕事の本質 

2025年12月24日水曜日

人事の本音「インターンで“期待しない”理由」


 インターン生に、即戦力を期待することはない。

それよりも大切なのは、吸収しようとする姿勢だ。

 ある学生は、初日は何もできなかった。

でも毎日、小さなメモを取り、質問を重ねていた。

 最終日、彼は言った。

「全部は理解できなかったけど、働くイメージが持てました。」

 それで十分だと思った。

インターンは、完成度を見る場ではない。

成長の芽を見つける場なのだから。


#企業人事
#インターン評価
#成長の芽 

2025年12月23日火曜日

キャリア支援の裏側「送り出す前にできること」


 インターン前の面談では、学生の不安が表情に表れる。

「何を見られるんですか」「評価されますか」

そんな質問が多い。

 私はいつも伝える。

「見るのは企業。でも、感じるのはあなた自身。」

 目的は内定ではなく、経験。

合う・合わないを含めて、自分の材料を集めてきてほしい。

 送り出す側としてできるのは、

不安を消すことではなく、不安と向き合う準備を整えること。

 インターンを終えた学生が、

少しだけ大人びた表情で戻ってくる瞬間に、

この仕事の意味を感じている。


#キャリア支援
#大学職員の視点
#インターン準備 

2025年12月22日月曜日

インターン実感「“正解を出す”より大切なこと」


 インターンのワークで、私はずっと「正しい答え」を探していた。

間違えたくない。評価を下げたくない。そんな思いが先に立ち、発言する手が止まっていた。

 そんな中、社員の一人が言った。

「今日は正解を出す場じゃないよ。考え方を知る場だから。」

 その言葉で、肩の力が抜けた。

完璧でなくてもいい。途中の思考を共有していい。

そう思えた瞬間、自然と口が開いた。

 意見は洗練されていなかったけれど、

「なるほど、そこに気づいたんだね」と返してもらえた。

 仕事では、正解が一つとは限らない。

考え続ける姿勢そのものが価値になる。

そのことを、初めて体感した一日だった。


#学生の気づき
#インターン体験
#考える力 

2025年12月21日日曜日

就活物語「別れ際に印象を変えた学生」

――最後の一言、最後の笑顔が忘れられなかった――


 面接というと、どうしても質疑応答の出来ばえに目が向きがちだ。

だが実際には、評価が大きく動く瞬間は、面接が終わった「その後」に訪れることもある。

 その学生も、面接中はごく平均的な印象だった。

受け答えは丁寧で、準備不足というわけでもない。

ただ、決定打と呼べるほどの強い印象は残っていなかった。

 面接終了を告げ、形式的なやり取りが終わる。

学生が立ち上がり、出口へ向かう――そのときだった。

 彼はドアの前で一度立ち止まり、こちらを振り返った。

「本日は貴重なお時間をいただき、ありがとうございました。

とても緊張しましたが、お話できてうれしかったです。」

 そう言って、柔らかく笑った。

作った言葉ではない。

面接官一人ひとりに向けた、素直な気持ちがそのまま表れていた。

 ドアが閉まったあと、部屋に静けさが戻る。

誰かがぽつりと口にした。

「最後、すごく感じがよかったね。」

 面接は、始まりよりも終わりの方が、人柄がにじみ出る。

別れ際の一言、最後の表情――

それは、評価表には書けないが、確かに心に残る要素だ。

 ――彼の笑顔は、面接の記憶を、静かに塗り替えていた。


#面接官の視点
#最後の印象
#人柄 

2025年12月20日土曜日

就活物語「人柄で場を明るくした学生」

――面接官の緊張をほぐすような温かさ――


 面接という場は、学生だけでなく、実は面接官にも独特の緊張がある。

限られた時間で人となりを見極める責任――それは思いのほか重い。

 その日の学生は、入室した瞬間から少し違っていた。

丁寧に一礼し、椅子に座る前に「失礼します」と柔らかく声を添える。

その一言だけで、空気がほんの少し和らいだのを感じた。

 受け答えは決して派手ではない。

だが、こちらの質問に対して、相手の意図を汲み取ろうとする姿勢が随所に見えた。

面接官が言葉を探していると、急かすことなく、穏やかな表情で待っている。

 ある質問で、私が言い回しを言い直したとき、

彼はふっと微笑み、「あ、なるほど。そういうことですね」と自然に応じた。

その瞬間、面接官側の緊張まで解けた気がした。

 面接後、同席していた同僚が言った。

「なんだか、こちらまで落ち着いて話せたね。」

 人柄とは、特別なエピソードで語られるものではない。

相手を思いやる視線、間の取り方、空気への気配り――

そうした積み重ねが、場を明るくする力になる。

 ――彼の温かさは、言葉より先に、空気を変えていた。


#面接官の視点
#人柄の良さ
#安心感 

2025年12月19日金曜日

学生の実感「インターンは“就活前”じゃなかった」


 インターンに参加する前、私はそれを“就活の準備運動”だと思っていた。

でも実際は、それ以上だった。

 働く人の考え方、価値観、悩み。

教科書には載っていない現実を、肌で感じた。

 「就活のため」という枠を外してみると、

インターンは“人生の選択肢を増やす時間”なのだと気づいた。

 会社を見るだけでなく、自分を見る時間。

それが、インターンの本当の価値なのかもしれない。

 この経験は、きっと就活が終わっても残り続ける。

そんな確かな手応えを感じている。


#学生の視点
#インターンの価値
#未来へのヒント 

現場の学び「学生の質問が仕事を止めるとき」

 忙しい現場で、学生に声をかけられた。 「この作業、どうしてこの順番なんですか?」  一瞬、手が止まる。 考えたこともなかった問いだった。  説明しながら、自分の中の“当たり前”を見直す。 無駄な工程や、改善できそうな点にも気づいた。  学生の質問は、現場を止める。 でもそれは、...