2025年11月2日日曜日

就活物語「“わからない”を恐れない子」

就活物語
「“わからない”を恐れない子」
――正直さと学ぶ姿勢が信頼をつくる――


 面接の場で、わからない質問をされたとき、学生の反応は実にさまざまだ。

黙り込んでしまう子、何とか答えをひねり出そうとする子、焦って話が逸れていく子。

だが、印象に残るのは「わからないです」と、素直に言える学生だ。

 ある学生のことを、今でもよく覚えている。

技術職の面接だったが、専門的な質問に対して彼は一呼吸おいてから言った。

「申し訳ありません。今の時点では十分に理解できていません。ただ、もし入社できたら、こういう方法で調べて学びたいです。」

 その姿勢に、面接室の空気が少し変わった。

“わからない”という言葉に逃げではなく、次への意欲が込められていたからだ。

 面接後、技術部門の担当者が笑顔で言った。

「彼、いいですね。完璧じゃないけど、伸びそうです。」

 社会に出れば、誰だって初めてのことばかりだ。

そのときに必要なのは、知識の多さではなく、学ぶ力と正直さだと、彼が教えてくれた気がした。

 ――「わからない」と言える勇気。

それは、成長のスタートラインに立つ力なのだ。


#面接官の視点
#素直さの力
#学ぶ姿勢

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