就活物語
「“わからない”を恐れない子」
――正直さと学ぶ姿勢が信頼をつくる――
面接の場で、わからない質問をされたとき、学生の反応は実にさまざまだ。
黙り込んでしまう子、何とか答えをひねり出そうとする子、焦って話が逸れていく子。
だが、印象に残るのは「わからないです」と、素直に言える学生だ。
ある学生のことを、今でもよく覚えている。
技術職の面接だったが、専門的な質問に対して彼は一呼吸おいてから言った。
「申し訳ありません。今の時点では十分に理解できていません。ただ、もし入社できたら、こういう方法で調べて学びたいです。」
その姿勢に、面接室の空気が少し変わった。
“わからない”という言葉に逃げではなく、次への意欲が込められていたからだ。
面接後、技術部門の担当者が笑顔で言った。
「彼、いいですね。完璧じゃないけど、伸びそうです。」
社会に出れば、誰だって初めてのことばかりだ。
そのときに必要なのは、知識の多さではなく、学ぶ力と正直さだと、彼が教えてくれた気がした。
――「わからない」と言える勇気。
それは、成長のスタートラインに立つ力なのだ。
#面接官の視点
#素直さの力
#学ぶ姿勢

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