就活物語
「質問の質でわかる本気度」
――準備された言葉ではなく、現場を見ようとする目――
面接の最後に「何か質問はありますか?」と聞くと、多くの学生が口にするのは決まり文句のような質問だ。
「御社の求める人材像を教えてください」「入社後のキャリアステップについて伺いたいです」――。
どれも悪くはない。だが、心に残る質問は、いつも“その学生にしかできない質問”だ。
ある学生がいた。彼は事前に企業の取り組みを徹底的に調べてきていた。
「御社の新規プロジェクトで地方自治体と連携されていますが、現場で課題に感じる点はどんなところですか?」
質問の一言目から、空気が変わった。
こちらの答えをメモしながら、彼はさらに聞く。
「その課題に対して、自分だったらこういう形で支援できるかもしれません」
質問というより、対話だった。
私はその瞬間、彼がただ“受ける側”ではなく、働く側の視点で考えていることに気づいた。
質問の“質”には、準備と理解、そして覚悟が現れる。
面接を終えて、同席していた社員が言った。
「彼、もう一緒に働いてるみたいでしたね。」
――そう、質問は、その人の“本気度”を映す鏡なのだ。
私は次の面接でも、最後のその一言に耳を澄ませている。
#面接官の視点
#質問力
#本気の学生

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