2025年11月1日土曜日

就活物語「質問の質でわかる本気度」

就活物語
「質問の質でわかる本気度」
――準備された言葉ではなく、現場を見ようとする目――


 面接の最後に「何か質問はありますか?」と聞くと、多くの学生が口にするのは決まり文句のような質問だ。

「御社の求める人材像を教えてください」「入社後のキャリアステップについて伺いたいです」――。

どれも悪くはない。だが、心に残る質問は、いつも“その学生にしかできない質問”だ。

 ある学生がいた。彼は事前に企業の取り組みを徹底的に調べてきていた。

「御社の新規プロジェクトで地方自治体と連携されていますが、現場で課題に感じる点はどんなところですか?」

質問の一言目から、空気が変わった。

 こちらの答えをメモしながら、彼はさらに聞く。

「その課題に対して、自分だったらこういう形で支援できるかもしれません」

質問というより、対話だった。

 私はその瞬間、彼がただ“受ける側”ではなく、働く側の視点で考えていることに気づいた。

質問の“質”には、準備と理解、そして覚悟が現れる。

 面接を終えて、同席していた社員が言った。

「彼、もう一緒に働いてるみたいでしたね。」

 ――そう、質問は、その人の“本気度”を映す鏡なのだ。

私は次の面接でも、最後のその一言に耳を澄ませている。


#面接官の視点
#質問力
#本気の学生 

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