2025年11月5日水曜日

「画面の向こうの“同期”が、目の前にいた」


 春の風が少し冷たさを残している朝。

真央は、内定者懇親会の会場に向かって歩いていた。

手にはスマホ。グループチャットには「今、着きました!」の文字が並んでいる。

 エレベーターの扉が開くと、同じように少し緊張した顔の学生たちが立っていた。

「…あ、〇〇大学の真央さん?」

声をかけてくれたのは、チャットでよく話していた亮太くんだった。

 画面の中では何度もやり取りしたのに、実際に会うと不思議な気持ちになる。

「ほんとにいるんだな」――そんな言葉が、頭をよぎった。

 自己紹介や雑談が始まり、少しずつ笑顔が増えていく。

「同期って、こんな感じなんだ」

真央の胸の奥に、少しずつ“仲間”という感覚が広がっていった。

 帰り道、春の風が頬をなでた。

今日、少しだけ“社会人になる”ということが近づいた気がした。


#同期との出会い
#内定者懇親会
#社会人のはじまり 

0 件のコメント:

コメントを投稿

現場の学び「学生の質問が仕事を止めるとき」

 忙しい現場で、学生に声をかけられた。 「この作業、どうしてこの順番なんですか?」  一瞬、手が止まる。 考えたこともなかった問いだった。  説明しながら、自分の中の“当たり前”を見直す。 無駄な工程や、改善できそうな点にも気づいた。  学生の質問は、現場を止める。 でもそれは、...