2025年5月5日月曜日

就活の会社説明会|【第11話】会社の“理念”に耳をすませる

【第11話】会社の“理念”に耳をすませる


説明会の冒頭、少し堅苦しく聞こえる“企業理念”。

けれど、マナはそれを聞き流さずにメモを取っていた。

帰宅後、その理念が自分の価値観と驚くほど近いことに気づいた。

「ここなら、自分の考えと同じ方向を向けるかもしれない」

企業理念は、会社の“魂”のようなもの。

それに共鳴できるかどうかが、長く働くうえでの大切な軸になる。

2025年5月4日日曜日

就活物語「読みたくなる履歴書」

就活物語
「読みたくなる履歴書」


人事部で採用を担当して十年。春になると、デスクの上に山のような履歴書が届く。新卒採用の時期だ。会社説明会では、毎回一生懸命に話す。会社の強み、働く魅力、求める人物像——。それでも、いざ提出された履歴書を見ると、心が沈む。

正直に言おう。届いた履歴書の半分は、「読もう」と思えない。志望動機の欄には、「成長できる環境を求めている」とか、「御社の業界に興味があります」といった、どの会社にも通用するような言葉が並ぶ。これが、あの説明会に参加してくれていた学生の書いたものかと思うと、虚しさがこみ上げてくる。

説明会で目を輝かせていたあの学生も、履歴書では“その他大勢”になってしまう。

ある日、ふと手に取った一枚の履歴書。書き出しに「父が長年、御社の製品を愛用しており…」とあった。目を引かれた。読み進めると、彼女はその経験から商品に興味を持ち、自分でも調べ、大学のゼミで関連するテーマに取り組んだという。心に残った。話してみたい、と思った。

そう、読みたくなる履歴書には、「その人らしさ」がある。「なぜこの会社なのか」「どこに共感したのか」が、自分の経験や気持ちと結びついて書かれている。それが伝わると、採用担当者も“その人”をもっと知りたくなる。

企業の説明会でどれだけ想いを語っても、それを受け取って、自分の言葉で返してくれなければ、つながりは生まれない。

学生たちに伝えたい。就活は、無難さを競う場ではない。自分の想いを「あなたの言葉」でぶつけてほしい。それが伝わったとき、履歴書は「紙」ではなく「声」になるのだから。

2025年5月3日土曜日

就活で何社も落ちた学生が最後に気づいたこと

就活物語
「六十社目の春」


春の終わり、大学の就活掲示板にひとりの学生がそっと手紙を貼った。

「この度、ようやく内定をいただきました。実は、これが60社目の応募でした。」

彼の名はタクミ。真面目で口下手な青年。最初の頃は、数社の不合格通知に心が折れかけた。周りの友人が次々と内定をもらう中で、「自分は価値がないのかもしれない」と何度も思った。それでも彼は、毎回の面接を思い返し、自分の伝え方や表情、受け答えを振り返っては改善を重ね、エントリーシートの表現にも工夫を加えていった。

ある日、彼が尊敬する教授が言った。

「タクミ、不合格は“否定”じゃない。“今のままでは合わなかった”というだけだ。そこにヒントがある。」

その言葉に支えられ、タクミは不合格の理由を自分なりに分析し続けた。人に頼ることが苦手だった彼は、思い切ってキャリアセンターに通い、模擬面接を繰り返した。落ちるたびに、なぜ落ちたかを問い直し、少しずつ“自分らしい表現”を見つけていった。

そして60社目。ある企業の面接で、彼はこう語った。

「私は、多くの不合格を経験しました。でも、それを一つひとつ見つめ直す中で、少しずつ成長してきた実感があります。私は失敗を恐れずに改善を続けられる人間です。」

その言葉に、面接官の表情が変わった。

——そして数日後、彼に初めての内定通知が届いた。

「不合格の数だけ、自分を知った」と彼は言う。

“合わなかった”理由を、決して“自分がダメだから”と受け止めず、“どうすれば伝わるか”と問い続けたその姿勢が、いつしか最大の武器になった。

だから今、彼は伝える。

「不合格は、終わりじゃない。次に進むためのヒントだよ。」

2025年5月2日金曜日

就活の会社説明会|【第10話】“なんとなく良かった”で終わらせない

【第10話】“なんとなく良かった”で終わらせない


「雰囲気よかったなぁ…」

そう思ったハルカは、帰りの電車でノートを開いた。

「雰囲気」って、具体的にどう感じた?

社員の笑顔?話し方?質問の受け答え?

その曖昧な“なんとなく”を言葉にしていくことが、自己分析の一歩になる。

言語化することで、自分が大切にしたいことも見えてくる。

就活は、自分の心の動きを言葉にする旅でもあるのです。

就活の会社説明会|【第9話】終了後こそ、本番かもしれない

【第9話】終了後こそ、本番かもしれない


説明会が終わった後、サナは帰ろうとしたが、

ふと立ち止まって社員に一言だけ声をかけた。

「とても分かりやすいお話でした、ありがとうございます」

その一言に、社員の表情がやわらいだ。

「名前、覚えたよ」――そんなふうに後日、言われたことがある。

説明会後のちょっとした会話や印象が、次の選考にもつながることがある 

2025年5月1日木曜日

就活の会社説明会|【第8話】会社説明会は比較の場ではない

【第8話】会社説明会は比較の場ではない


「みんなすごい…自分なんて…」

会場で周りの学生がどんどん質問し、積極的にメモをとっているのを見て、

タカシは焦りを感じた。

でも説明会は「他人と競う場」ではなく、「自分と向き合う場」。

どんな情報が気になったか、何が印象に残ったか――

それを振り返るだけでも、就活のヒントは見えてくる。

“他人軸”ではなく、“自分軸”で受け取ることが大切。

 

就活の会社説明会|【第7話】社員の表情に注目してみよう

【第7話】社員の表情に注目してみよう


説明会で話していた社員が、とても自然に笑っていた。

「この人、ほんとにこの会社が好きなんだな」――ユリはそう思った。

一方で、どこか義務的に話している社員もいた。

会社の雰囲気は、言葉より“空気”にあらわれることもある。

どんな人が働いているか、どんな目をしているか。

そこには、求人票には書かれていない“リアル”がある。

就活物語 親との関係|親の「まだ決まらないの?」が刺さった夜

 就活が長引くほど、家族との会話がつらくなることがあります。心配してくれていると分かっていても、その一言に傷ついてしまう夜があります。 悪気がないと分かっているけれど  夕食の時間だった。 遥香は食卓で黙ったまま箸を動かしていた。 その時、母親が何気なく聞いた。 「就活、どう?」...