志望動機を書くたびに、正解らしい言葉を探していた春。それから何度も企業と自分に向き合ってきた健太は、初めて迷わず自分の言葉を書き始めます。
うまく書くより自分の思いを伝えたい
月曜日の夜。
健太は応募書類を前にして、志望動機を書いていた。
春の頃は、この欄が一番苦手だった。
「御社の将来性に魅力を感じました」
「社会に貢献できる仕事がしたいです」
間違ってはいない。
でも、どこかで見たような言葉ばかりになっていた。
今回は違った。
先週見つけた、名前も知らなかった会社。
調べるほど、若手を育てる姿勢や顧客との関係を大切にする考え方に惹かれていった。
健太は、自分がこれまで経験したことを思い返した。
失敗した時、一人で抱え込むより、誰かに相談することで前へ進めた。
だから、自分も人との関係を大切にしながら成長したい。
その思いを、一つずつ文章にしていった。
就活では、立派な言葉を書くことが目的ではない。
「なぜこの会社なのか」と「自分は何を大切にしているのか」が自分の経験とつながった時、志望動機はその人自身の言葉になる。
書き終えた文章を読み返して、健太は小さくうなずいた。
完璧ではないかもしれない。
それでも、誰かから借りた言葉ではなかった。
「これなら、自分で話せる。」
そう思えたことが、何よりうれしかった。
まとめの一言
志望動機の答えは、例文の中ではなく、自分が歩いてきた道の中にあります。
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