2026年2月22日日曜日

就活物語|就活 面接官 評価|迷われる学生のリアル

――判断の余白は、消えない――


 その学生の最終評価は、最後まで拮抗していた。

強みも弱みも、ほぼ同じだけあった。

 発言は誠実で、準備も十分。

だが、ときどき言葉が止まり、迷いが表情に出る。

その不安定さを「伸びしろ」と見るか、「リスク」と見るかで、意見が割れた。

 「採りたい気持ちはある」

「でも、即戦力としては不安もある」

 会議室の空気は、重く静かだった。

最終的に、わずかな差で別の学生を選んだ。

理由は、“現時点での安定感”。

 決定は合理的だった。

説明もつく。

けれど――

 数日経っても、私は彼の面接を思い出していた。

あの一瞬の真剣なまなざし。

言葉に詰まりながらも、何かを必死に伝えようとした姿。

 もしかしたら、あの不安定さこそ、挑戦しようとする覚悟だったのではないか。

 採用には正解があるようで、ない。

選ばなかった道の未来は、誰にも分からない。

 彼の名前を見るたび、私は今でも、あの日の判断を静かに思い返す。


#面接官の視点
#迷った学生
#判断の余白 

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