――本気度を、最後まで測りきれなかった――
その学生の評価シートは、ほとんどが高得点だった。
受け答えは的確。論理も破綻がない。
これまでの経験も十分で、スキル面での不安はほとんどなかった。
だが、最終面接の終盤で、ある面接官が静かに言った。
「彼は、本当にこの仕事をやりたいのだろうか。」
志望動機は整っていた。
だが、“この会社でなければならない理由”が、どこか薄い。
どの企業でも通用する言葉に聞こえてしまったのだ。
「優秀だとは思う。でも、覚悟が見えない。」
評価会議は、そこで止まった。
もしかすると、彼は冷静なだけだったのかもしれない。
情熱をあえて表に出さないタイプだったのかもしれない。
だが、限られた面接時間の中で、私たちはそこまで読み切ることができなかった。
最終的に、より“ここで働きたい”という熱が明確な学生を選んだ。
彼は間違いなく優秀だった。
だが、採用とは能力の比較だけではない。
この場に身を投じる覚悟が伝わるかどうか。
私たちは、その一線で、最後まで迷った。
#面接官の視点
#迷った学生
#覚悟の差

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