――主張よりも支える姿勢で評価された学生――
面接室に入ってきた彼は、決して目立つタイプではなかった。
声も落ち着いていて、自己PRも控えめ。
だが、話を聞くうちに「この子はチームでこそ輝くタイプだ」と直感した。
「サークルでの役割は?」と尋ねたとき、
彼は少し照れながらこう答えた。
「自分は…リーダーではないんです。ただ、メンバーが進めやすいように、資料を整えたり、会議の進行をサポートしたりしていました。」
華やかさはない。
だが、話を深掘りすると、その姿勢に揺るぎない一貫性があった。
「意見が割れた時はどうしましたか?」と尋ねると、
彼は即答した。
「全員の意見を書き出して、共通する部分を探しました。
結論はリーダーに任せますが、まず“みんなの言葉”を整理したくて。」
その言葉に、面接官として胸を打たれた。
リーダーシップは前に立つだけではない。
後ろから支え、チーム全体を前に進ませる力も、立派なリーダーシップだ。
面接後、同席していた課長が言った。
「強く主張しないタイプだけど、組織に入ったら確実に必要な存在だね。」
主張よりも“支える姿勢”でチームを動かしてきた学生。
目立たなくても、誰よりもチームを理解し、動かす力を持っている。
そういう人材こそ、組織の土台を支える大切な存在なのだと思う。
#面接官の視点
#チームワーク
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