「内定連絡の電話、思わず声が裏返った」
― 緊張と喜びのはざまで
大学4年の6月上旬。昼下がりのキャンパスで、涼介は研究室のパソコンに向かっていた。
そのとき、ポケットの中でスマホが震える。見知らぬ番号。
恐る恐る出ると、聞き覚えのある声がした。
「○○株式会社の採用担当の佐藤です。先日の最終面接の結果ですが…」
心臓の鼓動が一気に早くなる。
「内定のご連絡を差し上げます」
その瞬間、涼介の声が裏返った。
「ほ、本当ですか!? ありがとうございます!」
採用担当の笑い声が電話口から聞こえ、緊張が少しだけほどけた。
電話を切ったあと、しばらく言葉が出なかった。
机に置いた手が少し震えている。
長い就活の日々が、ようやく終わったのだ。
外に出ると、初夏の風が吹き抜けた。
どこまでも続く青空を見上げながら、涼介は深呼吸をした。
「これが…あの“内定”の瞬間なんだな」
その小さな声には、確かな達成感が滲んでいた。
#内定者のリアル
#内定の瞬間
#就活の終わりと始まり
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