「内定報告をした日」
― 友の笑顔と、自分の涙
大学4年の6月。梅雨の空が広がる午後、彩は友人の由希とカフェで向かい合っていた。
由希が先に言った。「実は、第一志望から内定をもらったんだ」
その言葉に、彩は一瞬、息をのんだ。けれど、すぐに笑顔をつくり「おめでとう!」と声を弾ませた。
心から喜んでいた。けれど、同時に胸の奥で小さな痛みが走る。
自分はまだ、最終面接の結果待ち。焦りも不安も、隠して笑う。
そんな自分が少し情けなかった。
カフェを出たあと、空から小雨が落ちてきた。
傘を差しながら、彩はスマホを取り出し、母にLINEを送る。
「今日も頑張ったよ」
たった一行を打つのに、涙がにじんだ。
数日後、メールの受信音が鳴る。
そこには、「内定のお知らせ」の文字。
あの日の友の笑顔が、彩の心を支えていたのだと気づいた。
#内定者のリアル
#友との支え
#涙の瞬間
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