【第5話】笑ったら、うまくいった
「制限時間、あと5分です」
焦りの気配が、テーブルの上にじわりと広がる。意見は出尽くし、結論がまとまらないまま、時間だけが過ぎていく。
そのとき、緊張でこわばっていた美優が、ふと苦笑いして言った。
「ごめん、ちょっと混乱してきた…!誰か、今なに話してるか教えてくれる?」
その言葉に、思わず全員が吹き出した。
「いや、実は俺も整理できてなくてさ…」
笑いながら、もう一度話を振り返る空気が生まれた。そこからは不思議と、会話がなめらかに流れ出した。
グループワークって、真面目なだけじゃうまくいかない。人と人の間に「素の笑い」が流れたとき、チームは一気に動き出す。
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