【第22話】書いた自分を信じきれない
エントリーシートを書き終えたのに、「これでいいのかな」と何度も見返してしまう。
自分の言葉なのに、自信が持てない。
「もっと立派な経験を書いた方がいいんじゃないか」
「誰かに添削してもらった方がいいのかな」
迷いの声が、心の中でぐるぐると回る。
でも、書いた言葉を読み返すうちに、少しだけ気づく。
これは、どこかのテンプレートじゃない。自分の中から出てきた、等身大の言葉だと。
「今の自分を、ちゃんと書けた」
それだけで、きっと伝わることもある。遥はそっとペンを置き、封筒を閉じた。
信じるべきなのは、書いた内容よりも、その言葉にたどり着くまで悩んだ“自分自身”なのだ。
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