――時期だけが、噛み合わなかった――
その学生は、将来性という言葉がよく似合っていた。
考え方は柔らかく、吸収力も高い。
質問への受け答えも素直で、学ぶ姿勢がはっきり伝わってくる。
面接官の多くが感じていたのは、「確実に伸びる」という予感だった。
ただし同時に、「もう少し経験があれば」という思いも拭えなかった。
今回の募集は、立ち上げ直後のチームへの配属が前提だ。
教えながら育てる余裕は、正直あまりない。
議論は、「今、迎えるべきか」「待つべきか」という一点に集約された。
彼は、準備不足だったわけではない。
むしろ誠実で、課題にも真剣に向き合っていた。
ただ、その力が“実践として形になる直前”にいた。
最終判断は不採用。
決定後、誰かが言った。
「半年後なら、間違いなく採ってたよね。」
採用とは、能力だけでなく、組織の状況と人の成長速度が噛み合うかどうかだ。
彼は惜しかった。
ただ、出会った時期が、少しだけ早すぎただけだった。
#面接官の視点
#惜しかった学生
#タイミングの問題

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