2026年2月8日日曜日

就活物語「半年後なら、迷わず迎えていた学生」

――時期だけが、噛み合わなかった――


 その学生は、将来性という言葉がよく似合っていた。

考え方は柔らかく、吸収力も高い。

質問への受け答えも素直で、学ぶ姿勢がはっきり伝わってくる。

 面接官の多くが感じていたのは、「確実に伸びる」という予感だった。

ただし同時に、「もう少し経験があれば」という思いも拭えなかった。

 今回の募集は、立ち上げ直後のチームへの配属が前提だ。

教えながら育てる余裕は、正直あまりない。

議論は、「今、迎えるべきか」「待つべきか」という一点に集約された。

 彼は、準備不足だったわけではない。

むしろ誠実で、課題にも真剣に向き合っていた。

ただ、その力が“実践として形になる直前”にいた。

 最終判断は不採用。

決定後、誰かが言った。

「半年後なら、間違いなく採ってたよね。」

 採用とは、能力だけでなく、組織の状況と人の成長速度が噛み合うかどうかだ。

彼は惜しかった。

ただ、出会った時期が、少しだけ早すぎただけだった。


#面接官の視点
#惜しかった学生
#タイミングの問題 

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