2026年2月1日日曜日

就活物語|就活 面接後 評価|面接が終わってから評価が変わった学生

――あとから、じわじわ効いてきた言葉――


 その学生の面接は、正直に言えば、強い印象を残すものではなかった。

受け答えは落ち着いていて、失点もない。

だが、決定打と呼べるほどの材料もなく、評価は中ほどに落ち着いていた。

 ところが、面接がすべて終わり、評価表を見返しているとき、

彼の言葉がふと頭に浮かんだ。

 「自分は、まだ即戦力ではありません。

でも、任されたことを“そのまま”終わらせず、

必ず一つは良くして返す人でありたいと思っています。」

 派手さはない。

だが、その言葉には、仕事への向き合い方がにじんでいた。

議論が始まると、「あの学生、悪くなかったよね」という声が増えていった。

 面接中は目立たなかった誠実さが、

時間を置くほどに、評価として浮かび上がってくる。

それでも結果は不採用。

理由は単純で、より即戦力に近い学生が他にいたからだ。

 決定後、誰かが言った。

「現場に出たら、きっと信頼されるタイプだったな。」

 面接とは、不思議なものだ。

終わったあとに、評価が上がる学生がいる。

彼はまさに、そんな“惜しかった学生”だった。


#面接官の視点
#惜しかった学生
#面接後に評価が上がった

0 件のコメント:

コメントを投稿

それぞれの、働く理由|定年と生きがい|定年の日、仕事が終わったと思った

 「長い間、本当にお疲れさまでした。」 拍手の中、花束を受け取った正夫は、深く頭を下げた。  六十五歳。 大学を卒業してから四十年以上、同じ機械メーカーで働いてきた。 営業として全国を飛び回り、管理職になってからは若い社員の育成にも力を注いだ。 忙しい毎日だった。 仕事が嫌になっ...