――相手を安心させる“場の空気づくり”の力――
面接という場は、誰にとっても緊張するものだ。
だが、その緊張を自然に和らげてくれる学生がいる。
それは、笑顔のタイミングが上手い子だ。
ある女子学生の面接を担当したときのこと。
彼女は最初、丁寧に礼をしてから少し硬い表情で座った。
だが、質問に答えるうちに、時折ふっと笑顔を見せる。
その笑顔が、わざとらしくない。自然で、場の空気をふんわり変える力を持っていた。
「失敗したとき、どう対処しましたか?」と尋ねると、
「最初は焦りましたが、先輩に助けられて…そのとき“頼ることもチーム力だ”って気づいたんです」と、
照れくさそうに笑った。
その瞬間、こちらも思わず笑顔になった。
面接官と学生という立場を超えて、人と人としての距離が一気に縮まった気がした。
終わったあと、同席していた上司が言った。
「彼女、話し方は控えめだけど、場を明るくする力があるね。」
面接は、“自分を見せる”だけの時間ではない。
相手に安心感を与える力も、社会では立派なコミュニケーションスキルだ。
――笑顔のタイミングが上手い学生。
それは、相手の心に寄り添う力を持った人なのだと思う。
#面接官の視点
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