「電話越しに感じた、社会人の声」
夕方、部屋に差し込むオレンジ色の光の中で、真央のスマホが震えた。
画面には「〇〇株式会社」の文字。
一瞬、胸がドキリと高鳴る。
恐る恐る応答ボタンを押すと、明るい声が聞こえてきた。
「真央さん、先日は懇親会ありがとうございました。配属予定についてご連絡です。」
少し早口で答えたつもりが、声が上ずっていた。
でも相手の声は終始やさしく、ゆっくりと話してくれる。
社会人同士のやりとり――
それはまだ少し背伸びをするような時間だった。
通話を終えると、胸の奥にぽっと温かいものが残った。
これから、この人たちと一緒に働くんだ。
画面に残る通話履歴を見つめながら、
真央はようやく、社会人になるという実感を手にした気がした。
窓の外には、秋の夕暮れ。
その光は、どこかやさしく、自分を包み込んでくれているようだった。
#内定者の実感
#初めての電話
#社会人への一歩

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