「家族に伝えた夜、はじめて実感した“社会人になる”ということ」
夕食を終えたあと、真央は居間でスマホを見つめていた。
通知欄には「内定のお知らせ」の文字。
心臓がドクンと鳴る。信じられなくて、何度も本文を読み返した。
「……受かったんだ」
小さな声でつぶやくと、隣の部屋から母が顔を出した。
「どうしたの?」
「内定、出た」
その一言に、母の表情がぱっと明るくなった。
「本当? よかったじゃない!」
声のトーンが上がり、父も新聞を置いて近づいてきた。
「おめでとう。やっと落ち着けるな」
普段は照れくさい父の笑顔に、真央の目に涙がにじむ。
これまで不安で眠れなかった夜、面接のたびに緊張で震えた朝――
すべてが報われた気がした。
「これで、ようやくスタートラインに立てたんだ」
その夜、布団に入った真央は、初めて“社会人になる”という現実を、静かにかみしめていた。
#内定の瞬間
#家族に報告
#就活の終わりと始まり
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