就活物語
「周囲を巻き込める子」
インターン最終日が近づいたある日、チーム課題が行き詰まりを見せていた。意見が出ず、議論が止まり、全体が沈んだ空気に。
そんな中、ミサキがふと周囲に声をかけた。
「ちょっと一回、深呼吸しません? 飲み物取りに行きながら気分転換しましょう!」
場がふっと和らいだ。彼女はその後も、意見が出ていないメンバーに「○○さんならどう思う?」と自然に振っていた。押しつけがましくなく、でも確実にチーム全体の空気を動かしていた。
最終発表では、チーム全員が自分の役割に誇りを持ち、堂々とプレゼンしていた。振り返ると、それはあの日の“ミサキのひと言”から始まっていた気がする。
リーダーシップとは、前に立つことだけじゃない。周囲の状態を見て、自分ができることをさりげなく実行する力。それが、ミサキにはあった。
彼女のような存在がチームにいれば、どんな仕事でも前向きに進められるだろう。
そんな確信が、心の中に残っていた。
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