2025年7月3日木曜日

就活におけるグループワーク)【第8話】沈黙の役割

【第8話】沈黙の役割


 議論が盛り上がっている。誰かが意見を出すと、すぐに別の誰かが反応して、どんどん話が展開していく。

 その中で、一言も話さずにうなずくだけの千佳。周囲から見れば、何もしていないように映っていたかもしれない。

 でも──

 「さっきの話、千佳さんがうなずいてたところ、私もすごく共感しました」

 その言葉に、場が一瞬、止まった。そして千佳は静かに口を開いた。

 「みんなの意見を、ちゃんと聞いていたくて…でも、私なりに考えていたこともあって──」

 そこから千佳の言葉が、全体の議論を整理し、深めていった。

 発言だけが貢献じゃない。耳を傾け、必要なときに言葉を選んで話す力が、チームにとって大きな支えになることもある。

0 件のコメント:

コメントを投稿

それぞれの、働く理由|第2話 多様な働き方|正社員にならなかった私

 「どうして正社員にならないの?」 久しぶりに会った友人から、そう聞かれた。  奈々は二十八歳。 週に四日、図書館で契約職員として働いている。 残りの時間は、自宅でイラストを描いていた。 学生時代から絵を描くことが好きだった。  でも、それだけで生活していく自信はなかった。 だか...