2025年7月29日火曜日

就活におけるグループワーク)【第43話】いつも黙っていた彼が

【第43話】いつも黙っていた彼が


 グループワークも終盤に差し掛かったある日。

発表準備が進む中で、いつも口数の少なかった柏木くんが、ふと手を挙げた。

「…僕、実はこんな資料を作ってたんだけど…」

彼がそっと出した資料には、私たちの議論の流れや、他のチームとの差別化のポイントが丁寧にまとめられていた。

 驚きと同時に、チーム全員の表情が変わった。

「すごい…なんで今まで言わなかったの?」

「いや、みんなが一生懸命だったから…水を差しちゃいけないかと思って…」

 その日から、柏木くんは発言が増えた。

きっと、あの一歩が彼の中の扉を開いたのだろう。

グループワークは、誰かの「変わるきっかけ」にもなる――そう感じた一日だった。 

0 件のコメント:

コメントを投稿

就活物語|社会人 自己肯定感|半年前より少し、自分を好きになれた日

 日曜日の朝。 窓から入る風が、少しだけ秋らしくなっていた。 コーヒーを飲みながら、私はこの半年をぼんやり振り返っていた。  就活中は、いつも誰かと自分を比べていた。 選考に通れば安心して、落ちれば自分を否定されたような気持ちになった。  内定をもらってからも、 「本当に私でいい...