【第38話】“まとめ”を任されるプレッシャー
「じゃあ、まとめ役は佐久間くんでいい?」
その言葉に、佐久間は思わず顔をこわばらせた。
「え、オレでいいの?」
いつも冷静に聞いてくれているから──という理由で、なんとなく選ばれた気がした。
プレッシャーは静かに肩にのしかかる。
「どうやってまとめればいいんだ…」と焦りがよぎる中、
隣の春菜が、メモをそっと見せてくれた。
「これまでの流れ、ざっくり整理してみたよ」
その一言に、胸が少しだけ軽くなった。
「ありがとう…少しずつ、やってみるよ」
まとめ役は、完璧な整理人である必要はない。
“手助けを受けながら形にしていく”ことが、何より大事な力になるのだ。
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