【第35話】“メモ魔”がチームを救うとき
美咲は、グループワーク中ずっとメモを取っていた。
会話にあまり入らず、静かにペンを走らせていたため、最初は「大丈夫かな?」と思われていた。
だが、発表の準備に入ったとき、誰もが混乱した。
「えーと…さっき何て言ってたっけ?」
「どのアイデアを採用したんだっけ?」
そのとき、美咲が静かに言った。
「時系列で、要点まとめてるので、これ見てください」
ノートには、発言者名・内容・議論の転換点が丁寧に記されていた。
「すごい…!」「これがあれば、まとめやすい!」
チームは一気に動き出した。
発言しなくても、“全員の思考を支える”参加の形がある。
それが、グループの土台になることもあるのだ。
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