【第34話】“ひとこと”が、議論をつなぎ止める
「それで…どうする?」
議論が停滞し、誰も口を開かなくなった。
アイデアは出た。意見も出た。けれど、整理されないまま時間だけが過ぎていく。
誰かが言いかけて、やめて、また沈黙。
そんなときだった。
詩織がポツリとつぶやいた。
「…つまり、私たちは“何を”決めきれてないのかな?」
そのひとことが、空気を変えた。
「たぶん、“軸”がバラバラなんだと思う」と誰かが返す。
「じゃあ、“優先順位”を一回見直してみる?」
少しずつ、言葉がほぐれていく。
グループワークでは、沈黙を破る“問い”が流れをつくる。
それは、立派なファシリテーションの技術だ。
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