【第30話】“言葉にする”ことで、場がひらける
「なんか、まとまりそうでまとまらないね…」
議論が空回りし始め、沈黙が増えていった。時計の針は残り10分を示していた。
そのとき、恵梨香がぽつりと口を開く。
「たぶん、みんな言いたいことはあるんだけど、“これで合ってるか”不安なんだと思う」
一同、顔を上げた。
「だから、一度“今考えてること”を全部、紙に書き出してみない?」
その提案で、それぞれの思考が可視化され、思わぬつながりや方向性が見えてきた。
「言葉にしないと、誰にも届かないんだな」
そう呟いた誰かの一言が、チーム全体の背中を押していた。
グループワークでは、“声にならない意見”にも形を与える仕組みが必要だ。
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