2025年7月1日火曜日

就活におけるグループワーク)【第3話】沈黙を破った一言

【第3話】沈黙を破った一言



 議題は「理想の職場とは?」。ホワイトボードの前で5人が座るも、会話は止まったまま。

 誰もが「正しいこと」を言おうとして、言葉を飲み込んでいた。

 そのとき、静かだった康太がぽつりとつぶやいた。

 「…昼休みに、ひとりになれる場所がある会社がいい」

 一瞬、場がしんとする。でも次の瞬間、笑いがこぼれた。

 「わかる、それ」「リフレッシュって大事だよね」

 そこから話は自然と広がっていった。福利厚生の話、チームワーク、働くペース──。

 康太の一言が、沈黙の壁を壊した。

 完璧じゃなくても、自分の本音は誰かの共感を生む。グループワークで大切なのは、正しさよりも「場をつくる勇気」なのかもしれない。

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