【第3話】沈黙を破った一言
議題は「理想の職場とは?」。ホワイトボードの前で5人が座るも、会話は止まったまま。
誰もが「正しいこと」を言おうとして、言葉を飲み込んでいた。
そのとき、静かだった康太がぽつりとつぶやいた。
「…昼休みに、ひとりになれる場所がある会社がいい」
一瞬、場がしんとする。でも次の瞬間、笑いがこぼれた。
「わかる、それ」「リフレッシュって大事だよね」
そこから話は自然と広がっていった。福利厚生の話、チームワーク、働くペース──。
康太の一言が、沈黙の壁を壊した。
完璧じゃなくても、自分の本音は誰かの共感を生む。グループワークで大切なのは、正しさよりも「場をつくる勇気」なのかもしれない。
0 件のコメント:
コメントを投稿