2025年7月17日木曜日

就活におけるグループワーク)【第28話】沈黙は、無言の“肯定”かもしれない

【第28話】沈黙は、無言の“肯定”かもしれない


グループワークが始まって20分。隣の席の綾音は、ほとんど話していなかった。

意見を求めても「うーん、まだちょっと…」と首を傾げる。

リーダー役の慧は少し焦っていた。

でも、ふと綾音のメモを見ると、話された意見を丁寧に整理し、矢印や囲みで視覚化していた。

「それ、すごく分かりやすいね」と慧が声をかけると、綾音は恥ずかしそうに笑った。

「話すの苦手で…でも、聞いてはいます」

そのあと、綾音は「この意見とこの意見、つながりませんか?」と初めて言葉を発した。

それは、場を前進させる一手だった。

話さない人が“何もしていない”とは限らない。

沈黙の裏にも、熱心な参加があることを忘れてはいけない。

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