【第27話】“正しさ”の前に、“まず聞く”姿勢
「いや、それは違うんじゃない?」
話し合いの途中、海翔の声が強めに響いた。
議論の方向性を修正しようとしたのだが、空気がピリつく。
その瞬間、隣にいた仁菜が小さくつぶやいた。
「…まず最後まで聞こう?」
一瞬の沈黙。そのあと、海翔が小さく「ごめん」と頭を下げた。
仁菜は続けた。
「違うって思っても、相手の話の“どの部分”が違うかをちゃんと聴いたほうが、建設的な議論になると思う」
それは、ルールでもマナーでもなく、“チームで考える”ための基本だった。
グループワークでは、意見の正しさ以上に、対話の“土台”を大切にする姿勢が問われる。
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