【第25話】“時間配分係”の見えない貢献
「あと10分です」と、声をかけたのは咲良だった。
特に決めていたわけではないが、議論中ずっと時計を見て、進行のリズムを整える役を自然に引き受けていた。
「あと5分で結論出そう」「発表の準備もそろそろしようか」
その一言が入るだけで、グループは慌てずに次のフェーズへ移っていけた。
議論が盛り上がっていても、時間が足りなくてバタバタしてしまうことは多い。
でも、咲良がいてくれたおかげで、今回は“流れ”が途切れなかった。
グループワークには、目立たないけれど重要な役割がある。
時間を読む力も、立派な“ファシリテーション”だ。
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