【第22話】感情が動いたとき、場も動く
「うまくまとめなきゃ」「論理的に話さなきゃ」
そう思えば思うほど、正解を探すような意見が並ぶ。
そのとき、沙耶がぽつりと語った。
「私は、家族が介護をしていて、働き方ってすごく難しい問題で…」
一瞬、空気が変わった。
今まで“正しいこと”を言おうとしていた空間に、“ほんとうの声”が流れ込んだ。
それに呼応するように、他のメンバーも自分の体験を語りはじめ、議論が一気に深まっていった。
グループワークに必要なのは、知識や模範解答だけじゃない。
自分の中にある“リアル”を持ち寄ることで、初めてチームに血が通い出すのだ。
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