【第20話】最後のひとことが、すべてを変える
「もう時間ですね。発表、どうまとめましょう?」
残り時間5分。誰かが代表して発表内容をまとめようとするが、うまく整理ができず、全員が焦っていた。
そんなとき、隅で静かにしていた圭吾が、ぽつりとつぶやいた。
「結局、“働きやすさ”って、“選べる自由”なんじゃないかな」
それは、議論の中でバラバラだった意見をつなぐ、たったひとつの軸だった。
全員が「それだ!」と膝を打ち、瞬く間に発表の構成が決まっていった。
会話の中心にならなくても、誰かが最後に放った一言が、チームの核心になることがある。
グループワークにおいて、「遅すぎる言葉」なんて存在しないのだ。
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