2025年7月11日金曜日

就活におけるグループワーク)【第19話】“発言しない”という選択もある

【第19話】“発言しない”という選択もある


 グループディスカッションが始まり、メンバーたちは次々に意見を出していった。

 その中で、一言も発しない千聖。

 司会が「千聖さん、どうですか?」と振っても、「今は特に…」と控えめに返すだけ。

 「何も考えていないのかな」と誰かが思った──そのとき。

 終了後、企業担当者が言った。

 「みなさんのやりとりを観察していました。発言の量ではなく、相手の話をどう受け止めているかが大事です」

 千聖は終始、相手の目を見て、うなずき、メモをとっていた。その姿勢は確かに“参加”していた。

 グループワークは、声の大きさで勝負する場じゃない。“聞く力”だって、立派な評価対象だ。

0 件のコメント:

コメントを投稿

就活物語「ボランティア経験が就活で光った瞬間」

就活物語 「ボランティア経験が就活で光った瞬間」  キャリアセンターにやってきた四年生のハルト君。自己PRについて相談を受けたとき、最初は「特に目立った経験はありません」と言っていた。  ところが、雑談の中で「地域の清掃ボランティアを2年間続けている」と口にした瞬間、私は耳を傾け...