2025年7月10日木曜日

就活におけるグループワーク)【第17話】自分の「ふつう」は、誰かの「すごい」

【第17話】自分の「ふつう」は、誰かの「すごい」


 「このテーマ、難しいですね…」

 議題は「新しい働き方」。みんながスマートに意見を出すなか、麻衣はなかなか言葉が出なかった。

 ようやく発言したのは、終盤だった。

 「私は、地元の商店街でアルバイトしてるんですけど、お客さんとの会話が仕事の一部で…。そういう“雑談”がある働き方って、案外大事かもって思いました」

 静かに語ったその言葉に、メンバーが一斉にうなずいた。

 「それ、いい視点ですね」

「確かに。デジタルじゃ代替できない部分かも」

 麻衣が当たり前だと思っていた日常は、他の誰かにとっての“新鮮な気づき”だった。

 グループワークでは、「特別な経験」よりも、自分の“ふつう”をどう語るかが、力になる。

0 件のコメント:

コメントを投稿

現場の学び「学生の質問が仕事を止めるとき」

 忙しい現場で、学生に声をかけられた。 「この作業、どうしてこの順番なんですか?」  一瞬、手が止まる。 考えたこともなかった問いだった。  説明しながら、自分の中の“当たり前”を見直す。 無駄な工程や、改善できそうな点にも気づいた。  学生の質問は、現場を止める。 でもそれは、...