2025年6月5日木曜日

履歴書・エントリーシートの作成)【第8話】「趣味:読書」と書いてから

【第8話】「趣味:読書」と書いてから 


 「趣味:読書」と書いた瞬間、手が止まった。

 本を読むのは本当。でも、それだけでいいのだろうか。説明会で「最近読んだ本は?」と聞かれて、答えに詰まったことを思い出した。

 読書という言葉は、安心する。でも、自分のことを語るには、少し曖昧すぎるのかもしれない。

 それでも――彼女の中に残っていた1冊の記憶があった。高校時代に読んだ小さな文庫本。何度もページをめくり、折り目をつけた言葉たち。

 あのときの気持ちは、まだ胸の奥に残っている。そう思ったとき、「趣味:読書」の後ろに、「特に心に残った一冊について」と言葉を加えた。

 趣味は、単なる飾りじゃない。自分の輪郭を、そっと照らしてくれるものなのだ。

0 件のコメント:

コメントを投稿

就活物語「半年後なら、迷わず迎えていた学生」

――時期だけが、噛み合わなかった――  その学生は、将来性という言葉がよく似合っていた。 考え方は柔らかく、吸収力も高い。 質問への受け答えも素直で、学ぶ姿勢がはっきり伝わってくる。  面接官の多くが感じていたのは、「確実に伸びる」という予感だった。 ただし同時に、「もう少し経験...